2024.04.08
【企業紹介】地域と共に歩む、コープさっぽろの改革スピリットとDX推進
こんにちは。リージョナルキャリア北海道のコンサルタント、宮崎です。
「コープさっぽろ」と聞くと、地元の多くの方はまずスーパーを思い浮かべることでしょう。
実際、帝国データバンク北海道支店(*1)によると、コープさっぽろはの2007年~2019年まで北海道のスーパーストア売上高ランキング13年連続「第1位」を獲得しています。2020年~2022年は3年連続で「第2位」となっていますが、それでも北海道民に親しまれ、多く利用されているスーパーであることに変わりありません。
コープさっぽろは「組合員数は2023年に200万人を超え、北海道の世帯カバー率は80%に近付いている」としています(*2)。
しかし、単なるスーパーの経営だけではなく、地域貢献にも力を入れています。そのために、最新デジタル技術を積極的に取り入れ、「DX」を推進しています。
今回は、コープさっぽろがアナログとデジタルを融合させながらどのように地域貢献に挑んでいるのかをご紹介します。
※弊社撮影
参考情報:
(*1)帝国データバンク
「2019年度 北海道内スーパーストア売上高ランキング」(最終閲覧日:2024年4月8日)
「2022年度 北海道内スーパーストア売上高ランキング」(最終閲覧日:2024年4月8日)
(*2)生活協同組合コープさっぽろ
「2023年10月吉日/PRESS RELEASE」
スーパーだけじゃない、コープさっぽろは「北海道の課題解決組織」である
コープさっぽろは生活協同組合として「利益追求」をするのではなく、ソーシャルビジネスとして「社会問題解決」を行う組織です。そのため、事業の起点は「儲かるか」ではなく「地域の困りごとを解決できるか」なのです。
例えば、近隣にスーパーがなく買い物に困る方がいれば移動販売車の活用を考えます。食べ物や日用品を積んだ車がやってくることで、自分の目で商品を見ながら買うことができるようになります。
さらに、「銀行に行くのも大変なので手持ちのお金があまりない」という悩みがあれば、移動販売車にATMを載せて持って行くことを考えます。
その他にも、高齢者のための配食サービス、宅配事業による高齢者見守り協定を各市町村と提携するなど地域で安心して生活できるための取組を行っています。
※画像引用:コープサイクル「ATMまで搭載!コープの移動販売「おまかせ便カケル」が運ぶものとは」(最終閲覧日:2024年4月8日)
もちろん、高齢者以外の地域課題にも取り組みます。
人口が少ない地域では、小・中学校で給食が提供できないという課題がありました。子供たちはお昼に温かいご飯が食べられない、みんなで同じものを食べる学校給食の思い出を作ってあげることができないとの悩みがありました。
そこではじめたのがスクールランチ事業です。工場でランチを調理し、温かさや冷たさを保ったまま学校へ届けるサービスです。
メニューは栄養バランスが考えられており、アレルギー代替食にも対応しているため、子供たちも保護者も喜ぶサービスになっています。
※画像引用:コープサイクル「北海道に広がるスクールランチの輪。学校の「給食」が当たり前になるように!」(最終閲覧日:2024年4月8日)
その他にも、第一子出産予定の組合員に配布される「ファーストチャイルドボックス」や、地域住民と海岸を清掃するイベント「Hokkaido 海のクリーンアップ大作戦!」、地域で作られている作物を見学して実際に食べることができる「畑でレストラン」など、たくさんの取り組みが行われています。
これらの活動は、地域への想いが溢れており、真剣に「社会問題解決」に取り組んでいることが分かります。
DXの取組
北海道という広大な地域で幅広いサービスを提供するためにカギとなるのは「DX・デジタル化」です。
同組合では2020年にデジタル推進本部を立ち上げ、株式会社東急ハンズの執行役員、株式会社メルカリの執行役員CIOなどのキャリアを積んだ後に独立、同年よりCIOを務める長谷川秀樹氏のもと、大規模なDXの取り組みがスタートしました。
AWS移行プロジェクトから始まり、全職員のコミュニケーションツールにSlackを導入。全職員が使えるように、店舗の勉強会を重ね、コミュニケーションがオンライン上で完結するように業務を再構築しました。今ではSlackへのChatGPT連携もあり、更に職員の業務効率化が進んでいます。
さらに、業務を効率化するアプリケーション導入も積極的に進めています。適切なSaaSがなければノンプログラミングでシステムを導入、それでも業務要件に合わない場合は自社開発も行います。
例えば、同組合の宅配サービス「トドック」は、物流経路の最適化にAIを使ってシステムを構築しています。「トドックアプリ」も、これからますます便利になっていくことが期待されます。
|CIO 長谷川秀樹氏の存在
■長谷川 秀樹CIO(※弊社撮影)
長谷川氏にお会いして感じたのは、圧倒的な推進力です。「最新の技術を用いて職員、北海道民の生活を良くしたい」と語る姿からは、コープさっぽろの社会貢献度の高い事業に対する熱意が伝わってきます。この本気度が、メンバーを惹きつける要因となっています。
私が転職希望者と面談する際に、「労働時間が長いので家族と過ごす時間が取れない」といった悩みをよく耳にします。
長谷川氏はこうした日本人の労働時間に課題意識を持ち、ワークライフバランスを保つためにも、DX化を進めています。実際に同デジタル推進本部では、残業を抑制するよう業務設計が行われています。
長谷川氏が掲げるビジョンは「同規模小売業でグローバルトップレベルとなること」、そして「リアルビジネスを最新のインターネットテクノロジーで解決すること」。こうして北海道内のみならず、業界・全国規模でも競争力のある、ハイレベルな組織を目指しています。
■長谷川氏インタビュー「デジタル VS アナログではない。併存で選択肢を広げるコープらしいDXのあり方」
地域のため、変化をおそれず改革に取り組む
同組織の合言葉は「『人と人をつなぐ』『人と食をつなぐ』『人と未来をつなぐ』」です。人は変わっていきますので、なにが必要なのかも当然変わっていきます。
こうした変化に対応しつつ、消費者に安定したサービスを提供するためには、組織としても改革を当たり前とする風土を築かなければなりません。
コープさっぽろでは、長谷川CIOが主導するDX推進のほかにも、年に十数回「仕事改革発表会」を実施しています。ここでは、毎回10人から20人が発表し「どのような改革をしたか」をテーマにナレッジ共有し、個人・部署・組織全体で更なる改革を目指しています。
また、生協の起点は「社会問題解決」ですが、しかしそれだけでは組織やサービスの維持は困難です。そのため、コープさっぽろでは「収益の改善」「事業成長」についても真摯に取り組んでいます。
例えば、多くの企業や団体においてCSRとして赤字で運営されることの多い廃油や衣類、紙類などの資源回収。同組合でこうした取り組みを行う「エコセンター」では、配送ルートを活用した効率的な収集を行うこと、さらには資源の仕分けや洗浄において個々の組合員の協力も得ることで、黒字化を実現しています。
組合全体で「どうすれば効率的にできるか」「利益がでる仕組みになるのか」を考える。地域住民のためを思い、変化をおそれず改革に取り組むことが、地域との信頼関係の強化につながる。この姿勢こそが、コープさっぽろの大きな強みです。
コープさっぽろには、そこで働く人々にとって「刺激的な挑戦」と「さらなる成長」が可能なフィールドが用意されていると感じます。
コープさっぽろの求人情報
コープさっぽろでは、長谷川氏と共にDXを推進するエンジニアを募集しています。
また、その他のポジション(コーポレート、広告企画、WEBマーケティング、製造など)でも採用可能性がないか随時相談が可能です。ぜひお気軽にお問合せください。
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