2025.07.15
札幌×40代の転職成功ガイド&求人情報 | 北海道専任のキャリアコンサルタントが転職市場から成功事例まで解説
こんにちは。リージョナルキャリア北海道のキャリアコンサルタント 宮崎 美晴です。
この記事では、札幌で転職を考えている40代の方に転職市場の動向や求人情報から転職成功者の体験談まで解説します。
<目次>
- 札幌における40代転職の現状と傾向
- 札幌の転職市場の現状
- 札幌の企業で人材需要が高まっている業種・職種
- 札幌で40代の転職者に人気の業種・職種
- 40代の転職者が直面する課題と解決策
- 40代の転職者が直面する課題
- 課題を乗り越えるための4つのアプローチ
- 札幌における40代の転職体験談
- 地元・札幌で挑む産学連携の現場(44歳・Uターン)
- 札幌で見つけたITコンサルタントという天職(47歳・Iターン)
- 地域に根ざした広報の仕事で、新たなキャリアを構築(41歳・Iターン)
- 転職活動のステップとポイント
- 自己分析と職務経歴書の作成
- 求人情報の探し方
- 面接に合格するためのコツ
- 転職後の生活とキャリアプラン
- 生活と収入のバランスを考える
- 転職後のスキルアップとキャリア形成
札幌における40代転職の現状と傾向
札幌の転職市場の状況
北海道労働局の統計によると、2025年5月時点での札幌市の有効求人倍率は0.92倍。全国平均の1.05倍より下回っている傾向にあり、やや売り手市場とは言いづらい状況です。2020年4月からの推移を見ても、全国平均との差が開いてきていることが分かります。

有効求人倍率の引用元:北海道労働局『各種統計・安定所別月間有効求人倍率(常用)の推移』
札幌の企業で人材需要が高まっている業種・職種
売り手市場とは言えない状況の中で、人材需要が高まっている業種もあります。札幌市に本社を置く企業で経験者採用が特に増えているのは「ビジネスサービス」と「広告・出版・印刷・マスコミ」の業種。一方で、40代の採用が特に増えているのは「コンサルティング」と「流通・小売」の業種です。「コンサルティング」ではより高度な知識や経験を持つ人材の需要が、「流通・小売」では今後の事業拡大を見据えて事業戦略を描ける人材の需要が増えており、そういったスキルや経験を持つ40代の方の採用が増えています。


※リージョナルキャリア北海道の2022年~2024年の入社決定実績より集計(札幌市内に本社を置く企業のみ)
人材需要が高まっている職種を見ると、全年代では「専門職(コンサルタント、金融、不動産)」と「ITエンジニア」の採用が増えています。40代でも「専門職(コンサルタント、金融、不動産)」の採用が増えている一方で、全年代ではほとんど増えていない「電気、電子、機械技術者」の採用が40代で増えています。「電気、電子、機械技術者」の40代の採用が増えているメーカーは、食品やバイオマス、設備関連など多岐にわたり、様々な領域で40代の人材の需要が増えています。


※リージョナルキャリア北海道の2022年~2024年の入社決定実績より集計(札幌市内に本社を置く企業のみ)
札幌で40代の転職者に人気の業種・職種
40代の転職者に人気の業種と職種をリージョナルキャリア北海道の選考実績データから見てみましょう。以下の2つのグラフは関心度・志望度・選考人数の3軸で人気の業種を分析しており、右上かつバブルが大きいほど、関心を持つ人も実際に入社する人も多い人気の業種と言えます。
- ・横軸(志望度):企業から内定をもらった人のうち、入社を決めた人の割合
- ・縦軸(関心度):キャリアコンサルタントから応募提案された人のうち、企業にエントリー(書類応募)した人の割合
- ・バブルの大きさ(選考人数):企業にエントリー(書類応募)した人数


※リージョナルキャリア北海道の2022年~2024年の入社決定実績より集計(札幌市内に本社を置く企業のみ)
40代と全年代ともに関心度と志望度が高い業種は「サービス」と「教育」と「メーカー」で、エントリー(書類応募)した人数が多いのは「IT」と「メーカー」と「流通・小売」です。エントリー(書類応募)した人数の傾向には世代間での大きな違いはありませんが、関心度と志望度については40代は全年代と比較して、「不動産」と「インフラ」が高くなっています。どちらの業種もエントリー者数は多くなく、40代の転職者に隠れた人気を持つ業種と言えるでしょう。
40代の転職者に人気がある「サービス」「教育」「メーカー」「不動産」「インフラ」の業種の中でも、関心度と志望度の観点で特に人気がある求人は注文住宅事業を展開する「株式会社ロゴスホールディングス」と産学連携やスタートアップ創出に注力している「国立大学法人 北海道大学」の求人です。
「株式会社ロゴスホールディングス」のビジョンや事業戦略について知りたい方は代表取締役社長 池田 雄一氏のインタビュー記事も併せて読んでみてください。
同じように人気の職種も見てみましょう。以下の2つのグラフは関心度・志望度・選考人数の3軸で人気の職種を分析したものです。


※リージョナルキャリア北海道の2022年~2024年の入社決定実績より集計(札幌市内に本社を置く企業のみ)
40代と全年代ともに関心度と志望度が高い職種は「素材、食品、医薬品技術者」で、エントリー(書類応募)した人数が多いのは「事務・管理・企画系」です。エントリー(書類応募)した人数の傾向には世代間での大きな違いはありませんが、関心度と志望度については全年代と比較して、40代では「専門職(コンサルタント、金融、不動産)」が高くなっています。
40代の転職者に人気がある「素材、食品、医薬品技術者」「専門職(コンサルタント、金融、不動産)」「事務・管理・企画系」の職種の中でも、関心度と志望度の観点で特に人気なのは以下の3社の求人です。事業規模が大きい企業のポジションに人気がある傾向となっています。
- ・株式会社北海道共創パートナーズの専門職(コンサルタント、金融、不動産)の求人一覧はこちら
- ・株式会社ロゴスホールディングスの事務・管理・企画系の求人一覧はこちら
- ・株式会社ツルハホールディングスの事務・管理・企画系の求人一覧はこちら
40代の転職者が直面する課題と解決策
札幌で新たなキャリアを築こうと考える40代の方にとって、転職は人生の大きな転機です。しかし、「40代だからこそ」のハードルがいくつも存在するのも事実です。本章では、そんな課題と解決策を解説します。
40代の転職者が直面する課題
年齢による選考の壁:「即戦力」であることが求められる
40代の転職者に対して企業がまず求めるのは、"即戦力"としての活躍です。専門スキルはもちろん、マネジメント経験や部下育成の実績なども見られがちです。そのため、未経験職種への挑戦は難易度が高く、「異業種へ飛び込むには遅すぎるのでは...」と感じる方も多いのではないでしょうか。さらに、書類選考の段階で「年齢によるミスマッチ」で通過率が下がることも少なくありません。
求人倍率の現実:札幌は「売り手市場」とは言いづらい
前章で解説した通り札幌市内の求人倍率は全国的に見ても低く、「条件に合う求人がなかなか見つからない」という声が多くあります。さらに、管理職などハイクラスポジションの求人倍率も0.75倍(※)と限定的で、経験豊富な40代でも選択肢が限られるのが現状です。
※厚生労働省北海道労働局「令和6年度 北海道の雇用情勢」7ページ目「管理的職業」の有効求人倍率を引用
年収ダウンの覚悟:地域差と職種転換の影響
地方都市である札幌は、首都圏と比較して給与水準が低めです。特に、異業種に転職する場合やキャリアチェンジを伴う転職では、スタートポジションが下がることも多く、結果的に年収ダウンを受け入れなければならないケースもあります。「生活水準を落とさずに転職したい」という希望と、現実のギャップに直面する方も多いです。
転職活動は長期戦に:焦らず、着実に
40代の転職は、20〜30代と比べて「決まるまでの時間がかかる」と言われています。年齢や希望条件によって選考に時間がかかることも多く、理想の求人を見つけるまでに数カ月を要するケースも珍しくありません。焦らず、腰を据えて取り組む姿勢が求められます。
課題を乗り越えるための4つのアプローチ
前章で述べた課題を乗り越えるには、以下のような対策が有効です。
キャリアカウンセリングを受ける
転職エージェントを活用し、自分の強みや市場価値を客観的に分析しましょう。プロによるアドバイスで視野が広がります。
スキルアップに取り組む
スキルアップといっても、必ずしも専門的な資格取得に限りません。たとえば、ビジネスコミュニケーション、プレゼンテーション力、業務改善の考え方、リモートワークツールの活用法など、どの業種・職種にも通じる普遍的なスキルは数多く存在します。また、40代の転職者に対して企業が期待するのは、知識や経験だけではなく組織を前進させる力(組織運営力)です。組織運営力は、部下との関係構築や状況に応じた適格な判断といった「マネジメント能力」や経営と現場をつなぐ「社内調整力」によって構成されます。
条件設定に柔軟性を持たせる
年収や勤務地、職種の条件を見直すことで、選択肢が広がります。中長期的なキャリア形成を意識し、初期の妥協も視野に入れましょう。
継続的な情報収集と準備
求人情報は日々変化しています。情報収集と自己研鑽を怠らず、いつでもチャンスをつかめる状態を保ちましょう。
札幌における40代の転職体験談
「40代の転職者が直面する課題と解決策」の章で解説した通り、40代の転職は決して簡単ではありません。それでも、「自分の価値を活かせる場所を見つけたい」「暮らしと働き方を見直したい」という想いから、一歩を踏み出した方々がいます。本章では、札幌という土地を新たなキャリアの舞台に選び、実際に転職を実現した3人の40代の声を紹介します。Uターン、Iターン、異業種転職など、それぞれ異なる背景を持つ彼女・彼らが、どのようにして転職を成功させたのか。そのプロセスと現在の仕事への想いを通じて、札幌でのキャリア構築のヒントが見えてくるはずです。
地元・札幌で挑む産学連携の現場 | 太田紀子さんの転職体験談(44歳・Uターン)
太田さんは、東京の大手光学機器メーカーに20年以上勤務し、医療用内視鏡の研究開発やマーケティングに携わってきました。業務のやりがいを感じつつも「やりつくした」という達成感と、コロナ禍で在宅時間が増えたこと。地元に帰省できなかったことも後押しとなり、北海道へのUターンを決意しました。
転職先に選んだのは、北海道大学の産学連携推進本部。大学と企業の橋渡し役として、研究内容のヒアリングや共同研究の調整、特許取得の支援などを担当しています。
Uターン転職成功事例【国立大学法人 北海道大学】 | 太田紀子さん(44歳女性・産学協働マネージャー)
札幌で見つけたITコンサルタントという天職 | 伊藤基成さんの転職体験談(47歳・Iターン)
伊藤さんは、東京にある商社系の大手SIerで設計、開発、構築、運用、管理まですべての工程を手がけていました。以前仕事で3年間住んでいた北海道にまた住みたいという想いと、より経営戦略に近い上流工程に関われる「コンサルタント」に興味を持ち、『札幌』で『インフラ』領域の『コンサルタント』という軸で転職活動を行い、ピースミール・テクノロジーに入社しました。
入社後は札幌市のDX事業を担当。企画構想の段階から市役所と話をし、将来の姿を描いた上で5年後までの実行計画を作成、それに従っていまやるべきことに取り組んでいます。
Iターン転職成功事例【ピースミール・テクノロジー株式会社】 | 伊藤基成さん(47歳男性・ITコンサルタント)
地域に根ざした広報の仕事で、新たなキャリアを構築 | 森ゆかりさんの転職体験談(41歳・Iターン)
東京と福岡で広報職としてキャリアを積んできた森さんは、新婚旅行で訪れた北海道の暮らしやすさに惹かれ、夫婦での移住を決意。社会のインフラ的な存在で、基盤の強い企業で働きたいという軸で転職活動を行い、北海道組合員の生活を支える存在であるコープさっぽろに入社しました。
コープさっぽろでは、食料品や日用雑貨の提供に子育てから葬儀まで幅広い取り組み一つひとつに広報として携わり、組合員の生活を支える仕事にやりがいを感じています。
Iターン転職成功事例【生活協同組合コープさっぽろ】 | 森ゆかりさん(41歳女性・広報)
転職活動のステップとポイント
この章では具体的な転職活動の進め方として「自己分析」「求人の探し方」「面接の対策」の3つのステップに分けて詳しく解説します。どのステップにも共通するのは、「企業目線で自分をどう見せるか」という視点。キャリアコンサルタントの転職ノウハウをもとに、準備のコツと注意点を紹介していきます。
自己分析と職務経歴書の作成
札幌で転職を考える際、まず最初に取り組むべきは「自己分析」と「職務経歴書の作成」です。これらは単なる書類作成ではなく、転職活動全体の方向性を定めるための土台づくりです。特に大切なのは、「相手の立場で書く」という視点。履歴書と職務経歴書を作成してみる【前編】|転職のちょっといい話②の記事では、企業側が応募者に対して抱く2つの大きな不安に言及しています。
それは、「この人はうちの課題を解決できるか?」ということと、「すぐ辞めてしまわないか?」という懸念です。これらの不安を払拭するには、自分の経験やスキルを単に羅列するのではなく、「なぜ自分がこの企業に合っているのか」をストーリーとして伝えることが必要です。たとえば、プロジェクトでどんな課題に直面し、どのように解決したのか、具体的な成果は何だったのかなど、「事実」を盛り込んだ説得力のある経歴書が求められます。
また、自分が転職で何を実現したいのかを明確にすることも重要です。これは転職で何を改善・実現したいのかを考えてみる|転職のちょっといい話①で詳しく説明しています。勤務地、仕事内容、待遇、業界など、自分が重視するポイントの優先順位をつけることで、無理のない転職の軸を作ることができます。
求人情報の探し方
自己分析ができたら、次は求人探しに入ります。ここでも大事なのは「読み方」です。単に条件に合った求人を探すのではなく、企業のニーズを読み解く力が問われます。
履歴書と職務経歴書を作成してみる【後編】|転職のちょっといい話③では、求人情報から「企業がどのような課題を抱え、どのような人物を求めているのか」を読み取るスキルが紹介されています。たとえば、「新規事業の立ち上げ」や「業務効率化の推進」といったキーワードがあれば、それに対して自分が何を提供できるかを考え、経歴書に反映させることが有効です。
札幌の求人市場は東京や大阪に比べて数は限られる傾向にありますが、その分、1社ごとの分析を丁寧に行うことでマッチ度の高い企業と出会えるチャンスも広がります。ハローワーク、転職エージェント、企業の採用ページなど、情報源を複数持っておくこともおすすめです。
面接に合格するためのコツ
書類選考を突破したら、いよいよ面接です。ここで重要なのは、「書類と面接の一貫性」です。つまり、職務経歴書に書いた「自分が提供できる価値」を、口頭でも説得力を持って伝えることがカギとなります。
先述した履歴書と職務経歴書を作成してみる【前編】|転職のちょっといい話②でも触れられているように、企業は「長く働いてくれそうかどうか」という点にも注目しています。そのため、志望動機では「札幌で腰を据えて働きたい理由」や、「なぜこの会社を選んだのか」をしっかり説明できるよう準備しましょう。
また、履歴書と職務経歴書を作成してみる【後編】|転職のちょっといい話③でも、未経験職種へのチャレンジにおいては、学習意欲や過去の経験をどう活かすかを事実ベースで説明することの重要性が述べられています。たとえば、「現在○○の資格取得に向けて学習中」といったアピールも好印象につながります。
面接対策は「準備が9割」。自己紹介や志望動機、逆質問などを事前に想定し、札幌の企業文化や業界動向を踏まえた回答を用意しておくことで、合格の可能性は大きく高まります。
転職後の生活とキャリアプラン
最後に、生活と収入のバランスの取り方、そして転職後のスキルアップやキャリア形成という2つの観点から、40代がより納得感のある転職を実現するためのヒントをお伝えします。単に「仕事を変える」のではなく、「これからの自分のあり方」を考える材料としてご活用ください。
生活と収入のバランスを考える ―「年収だけ」では測れない、40代からの働き方の選び方―
40代になると、転職において単純な「キャリアアップ」だけでなく、「自分や家族の暮らしに合った働き方」を考えることがより重要になってきます。特に札幌のような地域では、東京と比べて生活コストが抑えられる一方で、年収水準がやや低めのケースも多く見受けられます。転職で何を改善・実現したいのかを考えてみる|転職のちょっといい話①では、転職を考えるうえで以下の5つの軸を設定し、優先順位をつけることの大切さを紹介しています。
- ・勤務地(通勤の負担やU・Iターンなど)
- ・仕事内容(これまでの経験が活かせるか)
- ・業界や企業の将来性
- ・待遇面(年収・昇給・福利厚生)
- ・労働時間・休日などの働き方
例えば、「給与は少し下がるけれど、リモートワークで子どもの送迎が可能になる」「年間休日が増えて、親の介護に対応できる」といった選択は、40代の私たちにとって現実的かつ大きな価値を持つはずです。自分だけでなく、家庭や将来設計を含めた「生活全体とのバランス」を見据えた転職こそが、この先の安心感や満足感につながっていくのではないでしょうか。
転職後のスキルアップとキャリア形成 ―「40代から学ぶ」ことが、新しい自分をつくる―
40代での転職では、「今持っているスキルで何ができるか」に加えて、「これからどんな力を身につけ、どう成長していくか」も大切な視点です。
履歴書と職務経歴書を作成してみる【後編】|転職のちょっといい話③でも触れられているように、たとえ未経験の分野であっても、「その業界に関心を持ち、学んでいこうとする意志」や「自分なりに情報収集・勉強している姿勢」が評価されるケースは少なくありません。
例えば、40代女性であれば、育児や家庭と仕事の両立経験を活かして、バックオフィスや人材育成に強みを持つキャリアへ移る方もいます。男性であれば、管理職経験を活かしつつ、今後伸びる業界で新たな知識を習得することで、第二のステージを築くことができます。大切なのは、「自分はもう学べない」と思い込まないこと。スキルアップは資格取得だけではなく、日々の業務改善、後輩指導、新しいツールの導入など、あらゆる場面で実現できます。キャリアは一度きりではなく、何度でもつくり直すことができる----40代だからこそ、それを自分自身で選び、描いていく力があるのです。
リージョナルキャリア北海道には、札幌市を始めとした北海道内の転職事情やキャリア形成に長けたコンサルタントが在籍しており、定期的にキャリア相談会も開催しております。北海道での転職に少しでも迷っている40代の方はお気軽にご相談ください。