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イベント2023.01.20

誰もが創る楽しみを。~文学フリマ札幌~

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こんにちは。リージョナルキャリア北海道のスタッフです。

文学とは何か、と問われると皆さんは何を想像するでしょうか。多くの方は小説や詩といった、文字で表現されたものを思い浮かべるかもしれません。

辞書で調べると「思想や感情を、言語で表現した芸術作品。詩歌・小説・戯曲・随筆・評論など。文芸。」と最初に出てきますので、ご想像の通りと言えます。


しかし、本日ご紹介したいのは、小説や詩に限らない「自分が〈文学〉と信じるもの」を文学の定義とした新しい表現の場所。「文学フリマ」です。

文学フリマは全国的なイベントのため、北海道独自のものではないのですが、限られた開催地のうちの1枠が札幌開催、今回ご紹介させていただきます。


文学フリマとは?


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※引用:文学フリマ公式HP(最終閲覧日:2023年1月20日)


文学フリマとは、一般社団法人文学フリマ事務局が運営を行い、全国で開催をされている「作り手が自らの手で作品を販売する、文学作品展示即売会」です。入場料は無料、幅広い層が参加しているイベントで、現在は札幌・岩手・東京・京都・大阪・広島・福岡の7都市で年8回(東京は2回開催)開催されています。


出店側も老若男女問わず、またプロ・アマも問わず参加可能です。出店は作者や編集者が手ずから行いますので、会場に行くと作者と直接話すことができます。

出品されているのは、一般的に「本」として想像されるような綺麗に製本された書籍に限らず、様々な形態の創作物たち。例えば、コピー用紙に印刷したものをホチキス留めしたコピー本や、絵本、漫画など。そのほかにもTシャツなどの衣類、CD、ゲーム、写真など、これらは一般的に、「文学」と聞いて想像するものの範疇を超えているかもしれません。


画像2.png

※ちなみに筆者は前回参加した際、遠くから見ると太宰治が浮かび上がってくるクリアファイルを購入しました。

※筆者撮影


というのも、文学フリマにおける文学の定義は「自分が〈文学〉と信じるもの」。それは文字だけの表現に留まらず、イラストや音楽、写真、造形物など幅広い奥行きで文学というものを表すことを許されているのです。(とはいえ、一番出品が多いのはやはり本です。)


文学フリマの特徴

即売会というと、詳しい方ならコミックマーケットなどを思い浮かべるかもしれません。世の中には数多くの即売会が存在しますが、文学フリマならではの特徴があります。


・「自分が〈文学〉と信じるもの」であればどのような作品でも出品して良い(CD、漫画、絵、写真、ゲームなど)

 →出店時に選ぶことができる作品カテゴリは

・即売会特有の用語をできるだけ廃し、誰にでも分かりやすい言葉を用いることで一般の文学愛好者の門戸を開いている

 例)サークル参加→出店、一般参加→来場 など

・法人の出店や商業出版物の出店も認められている


このように、比較的幅広い層への門戸を開いているのには理由があります。文学フリマはもともと「文学」そのものの存続に対する危機意識からスタートしているからです。

1990年代から勃発した純文学論争では、文学(特に純文学)が閉鎖的環境の中で、既得権益化してしまっていることへの批判が論じられました。そこで、コミックマーケットを参考に、版元から取次、書店、と流れていく一般的な流通市場とは異なる、誰でも触れやすい文学の場をつくることを目的に文学フリマが立ちあげられました。


2002年の開催以降、東京でのみ開催が続いていましたが、現在はその想いが広がり、札幌を含む7都市で毎年開催されるようになっています。


札幌の開催について

新型コロナウイルスの影響もあり、一時は開催中止や規模縮小となっていましたが、近年は再び出店数・来場者数ともに増加傾向にあります。

札幌は2016年7月の第1回以降、2020年7月を除いて毎年開催されています。最初の会場はさっぽろテレビ塔、116の出店と約950人の来場となりました。


前回行われた第7回では、会場を札幌コンベンションセンターの大ホールに移し、出店数は165と一気に拡大しています。


出店しているのはやはり北海道のクリエイターが多数。大学のゼミ生によるゼミ誌や、北海道の風景を撮影した写真集、北海道を舞台にした小説作品、地理や歴史のレポートなど、北海道ならではの作品に触れることもできます。


誰でも参加ができる創作の場

ここまで、文学フリマの概要を説明してきました。実は筆者も2回出店側で参加したことがあります。


何より感動したのは、札幌の中で100を超える人たちの、創作に対するひたむきな「熱さ」を直に感じることができたことです。各ブースを回れば、作者の方たちとお話しする機会も沢山あります。「見せてもらって良いですか?」「どうぞ!」と見本誌を手に取る気軽なコミュニケーションは楽しいですし、作品について直接作者から話を聞けるのも、このような即売会の会場ならではでしょう。


ブースの作り方もそれぞれ個性があり、綺麗な布でテーブルを装飾していたり、無料のペーパーを配布していたり。映像を流しているブースもありました。それぞれ、自分たちの作品を最大限魅力的に見せるよう創意工夫が見られ、ブースを回るだけでもとても楽しいです。

もう一つの面白さは、この場限りでしか出会えないものがあること。通販をしている出店者ももちろんいらっしゃいますが、この会場でしか手に入らない文学も沢山あります。公式サイトによると、毎回半数以上の出店者が新しく出店をしているようです。一度買い逃すと二度と出会えない作品もあるのではないでしょうか。そう思えば、ひとつひとつブースを丁寧に回りたくなりますし、手にした作品はずっと大切にしたくなるものです。


まだ出店は間に合います!


ところで、札幌では7月に開催されるイベントをどうしてこんなに早く記事にしたのか、と思われるかもしれませんが、実は意図があります。


というのも、まだ文学フリマ札幌の第8回は出店者募集期間だからです!

「2023年4月17日(月)23:59まで」募集を行っており、上限の170ブースの内、150ブースまでは先着順で必ずブースが確約されますので、少しでも興味のある方はぜひこの機会に出店側でチャンレンジをしてみてはいかがでしょうか?北海道に新たなクリエイターが生まれることを楽しみにしています。


次回開催予定(第8回)

日時:2023年7月9日(日) 12:00〜16:00

入場料:無料

会場:札幌コンベンションセンター 大ホール

   〒003-0006 北海道札幌市白石区東札幌6条1-1-1

※WEBカタログが事前に公開されるので、興味のある作品を早めにチェックすることができます。参加の際はぜひご覧ください!


※参加したい方へ

募集期間:2023年4月17日(月)23:59まで

募集ブース:170ブース


詳細は公式サイトからご確認ください。

「文学フリマ 公式サイト」

https://bunfree.net/


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