2022.08.03
札幌で演劇を味わおう~札幌演劇シーズン2022年夏のご紹介~
こんにちは。リージョナルキャリア北海道スタッフです。
札幌は演劇に力を入れている都市のひとつです。札幌にある劇団は100を超え、11施設の小劇場(客席数がおよそ300席未満の劇場)があり、日々さまざまな公演が行われています。今回は札幌で1カ月間にわたり演劇を楽しむことができるイベント「札幌演劇シーズン」についてご紹介します。
「札幌演劇シーズン」とは?
欧米には演劇フェスティバルという文化があります。プロの劇団が自分たちの演目を長期間にわたって再演する、というものです。
この文化を札幌にも根差したいという考えで2012年から始まったのが「札幌演劇シーズン」であり、札幌に根差して活動を行う劇団が約1か月の間毎日、札幌市内の各劇場で質の高い演劇作品を提供していきます。
今年で10周年を迎えることとなるこのイベントは、これまでに公演された演目は累計で100を超えており、多くの演劇ファンを楽しませています。
1公演あたり3000円~5000円程度で楽しむことができ、学生には割引も適用されるなど、演劇に馴染みの薄い人も気軽に足を運びやすいイベントとなっています。
※参考情報:「札幌演劇シーズンHP」(最終閲覧日:2022年8月1日)
「札幌演劇シーズン」の意欲的な取り組み
演目の面白さはもちろんのこと、毎年少しずつ形を変えているのが札幌演劇シーズンの魅力のひとつです。
2020年では、コロナ禍で残念ながら公演中止となった演目もありましたが、楽しみにしていた方々へ演劇を届けたいという想いからオンライン配信も行われました。
ほかにも、「外国語字幕付きの公演」「リピーター割引(シーズン中の半券を持っていくと、当日券が500円も割引!)」「人形劇作品の上演」、子どもたちが楽しめる作品にフォーカスをした「キッズプログラム」など工夫を凝らしています。
「アフターイベント」では、観劇後に出演者のトークを楽しめるプログラムなどが用意され、舞台の枠を飛び越えて役者自身を知ることができます。
シーズン毎の演目のトレーラーや演者のコメントを気軽に楽しめるYouTubeチャンネルも開設されていますので、気になった作品があればぜひ動画でもチェックをしてみるとより楽しめることでしょう。
2022年夏の演目について
札幌演劇シーズン2022夏は、2022年7月30日~8月20日までの期間で開催され、今回は以下の3演目を楽しむことができます。
※いずれも新型コロナウイルス感染症対策を行ったうえで実施されています。
【1】座・れら「アンネの日記」 7月30日~8月7日(札幌市こどもの劇場やまびこ座)
第二次世界大戦最中、ナチスドイツ占領下のアムステルダム市プリンセンフラハト263番地。ここは、世界に見放され、迫害から逃れるために集まったユダヤ人8人の隠れ家。密告により逮捕されるまでの2年余り、多感な時期を駆け抜けたアンネは、閉ざされた生き詰まる日々さえもユーモアと率直な観察眼で日記に綴り続けた。
ここで繰り広げられる人間のありようは、私たちに今、静かに語りかけてくる。
※引用情報:「札幌演劇シーズンHP アンネの日記」(最終閲覧日:2022年8月1日)
筆者は30日の初演を観に行って参りました。会場となった「札幌市こどもの劇場やまびこ座」は収容人数300人ほどの小劇場で、ゆったりとしながらも演者との距離が近いコンパクトなスペースが特徴です。一番後ろの席に座っていても役者の表情までよく見ることができ、没入感を得られること間違いなしです。入場時は手指消毒と検温、座席は密にならないように一定の間隔をあけていました。
開演時間になると照明がふっと落ち、ざわついていた会場内が一気に静まり返ります。
舞台袖からアンネの父親がとぼとぼと登場するシーンから物語が始まれば、そこはもはや舞台の上ではなく、アンネたちが過ごした隠れ家に様変わり。劇中では人間らしい喜怒哀楽の揺らぎが全身で表現されており、皆で歓喜しながら歌うシーンでは涙が止まりませんでした。
2時間20分(10分間の休憩を含む)の演目ですが、時間を感じさせず駆け抜けるように楽しむことができる作品です。
【2】劇団 異蝕異人街「THE BEE」 8月6日~8月13日(シアターZOO)
平凡な一人の会社員がある日突然、脱獄犯に妻子を誘拐される。そして、その報復として会社員は、脱獄犯の妻と息子を誘拐する。
その行為が徐々にエスカレートしていく。これは一見、コメディのようであるが、ここには現代社会における暴力が一人の人間を狂気へと追いつめ、その暴力の連鎖が人間性を崩壊していく「惨劇」がある。
ある日「被害者が加害者となる権利を得る」という現代人の潜在的暴力性が狂気に変質するのである。
※引用情報:「札幌演劇シーズンHP THE BEE」(最終閲覧日:2022年8月1日)
【3】ELEVEN NINES「12人の怒れる男」 8月13日~8月20日(かでるホール)
ニューヨークの法廷。夏の暑い日。父親殺しの罪に問われたひとりの少年の審理が終わり、12人の陪審員が評決のため陪審室に集まった。
陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。全陪審員一致で有罪になると思われたところ、ひとりの陪審員が無罪を主張したことから物語は動き始める......。
※引用情報:「札幌演劇シーズンHP 12人の怒れる男」(最終閲覧日:2022年8月1日)
おわりに
ここまで、札幌の演劇イベント「札幌演劇シーズン」についてご紹介してきました。
演劇と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれていたでしょうか。少し格調高いもの。難しいもの。そのようなイメージで足が遠のいている方ももしかするといらっしゃるかもしれません。しかし、演劇は私たちの日常生活の中に、少しの非日常を与えてくれるスパイスのようなものです。
演劇の面白さは筆舌に尽くしがたいですが、筆者が最も面白いと思うのは「なまもの」そして「一期一会」感。というのも、私たちは二度と同じ舞台に出会うことができないからです。
仮に同じ演目を観に行ったとして、その日によって役者の演技や演出は変わっています。中には映像化される作品もありますが、カメラの画角に収まるのは舞台上の限られたものだけ。加えて、直接観ている時の空気感は映像では伝わりにくいものです。
今回ご紹介した「札幌演劇シーズン」の演目のあらすじを読んで、少しでも興味を持った作品があれば、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。狭い舞台の上で無限に広がるお芝居の世界にきっと魅了されることでしょう。
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