2026.10.26
道内の公共交通で初めて、空港バスにタッチ決済を入れた理由|北都交通株式会社
こんにちは。リージョナルキャリア北海道(運営:リージョンズ株式会社)のコンサルタント、新井 太樹です。
北都交通株式会社は、札幌市中央区に本社を置き、新千歳空港・丘珠空港と札幌市内を結ぶ空港連絡バスを中心に、都市間高速バスやハイヤー・タクシーを運行する会社です。2021年4月には、道内の公共交通機関で初めてVisaのタッチ決済を空港連絡バスに導入しました。2026年6月に就任した佐藤晃彦社長の企業TOPインタビューと公式情報をもとに、その導入の経緯と、北都交通の仕事の進め方を紹介します。

北都交通株式会社はどんな会社か
北都交通株式会社は、1950年にタクシー7台で創業した交通会社です。現在は空港連絡バス・都市間高速バス・貸切バス・企業送迎バス・ハイヤー・タクシーを手がけ、車両はバス120両とハイヤー・タクシー140両の計260両、従業員は約500名です。札幌と千歳空港を結ぶ輸送に関わり始めたのは1954年で、航空会社の利用者専用ハイヤーを走らせたことが、現在の新千歳空港連絡バスの原点になっています。
北都交通の空港連絡バスで長く課題になっていたのが、支払い方法でした。運賃の支払いは現金が中心で、海外から訪れる乗客には使いにくさがあります。一方で、地方のバス会社にとって交通系ICカードの導入・維持にかかる費用は大きな負担です。
北都交通はカード会社からの提案を受け、クレジットカードをかざして乗車できるVisaのタッチ決済を2021年4月に導入しました。道内の公共交通機関では初めての導入です。プロジェクトリーダーを務めたのは、当時事業部長だった佐藤社長です。
導入の準備は、現場での試行錯誤の連続でした。空港連絡バスは乗る場所によって運賃が変わるため、乗車時と降車時の2回タッチが必要です。乗り降りした停留所はGPSで特定します。佐藤社長たちは一般の車に機材を載せ、何度も停留所を回ってデータを確かめました。ところが、一般の車とバスでは機材を取り付ける角度が違い、最初はうまく読み取れませんでした。空港の中ではGPSの電波が乱反射し、位置がずれることもありました。
導入後も、すぐに定着したわけではありません。当初はタッチする場所がわかりにくく、押し間違いやエラーが起きるたびに、データを手作業で直していました。乗務員に操作を覚えてもらい、現場に定着させるまでには丸2年ほどかかりました。
導入当初に月186件ほどだった利用は、月2万5,000件を超えるまでになり、キャッシュレス比率は50%を上回りました。2023年2月にはJCBのタッチ決済も加わっています。北都交通の導入後、道内のほかのバス会社にもタッチ決済は広がりました。
同じ問題意識は、Webサイトにも向けられました。新千歳空港から札幌都心部への時刻表のページには、以前はPDFが1枚貼られているだけで、スマホでは拡大しなければ読めない状態でした。佐藤社長は、旅行者が片手に荷物を持ち、画面を広げながらバスの時間を探している姿を想像して、改善を決めたと話しています。
直感的に見られるページへ作り替え、運行情報は社内ですぐ更新できる仕組みにしたところ、運行に関する問い合わせの電話が大きく減りました。佐藤社長は、会社が傾くような重大なリスクのある挑戦は自分が止める一方、失敗しても損失が小さく収まる試みは現場の裁量で進めてほしいと考えています。
「目の前にあるものが小さな水たまりならまずは超えてみよう。裾が少し濡れるくらい、大したことじゃない」。佐藤社長はそう話しています。
佐藤晃彦社長が、小学校教員から北都交通に入社した経緯や、千歳での事業拡大、安全運行を土台にした組織づくりについて語った北都交通株式会社の企業TOPインタビューも、あわせてご覧ください。
(画像提供:北都交通株式会社)
北都交通株式会社の求人・募集状況について
2026年10月26日現在、リージョナルキャリア北海道のWebサイトでは、北都交通株式会社の求人を公開していません。
求人は、募集の時期や職種によって、Webサイトに掲載せずにご案内する場合があります。北都交通への転職に関心がある方は、公開求人がない時期でもご相談ください。ご相談時点の募集状況を確認し、北都交通に限らず、ご経験や希望に合う北海道の交通・運輸関連の求人があればご案内します。
※ご相談時点で、ご紹介できる求人がない場合もあります。募集状況は2026年10月26日時点のものです。
▼北海道専任のコンサルタントへのキャリア相談はこちら
▼北海道の公開求人はこちら