2024.03.29
【現地レポート】上士幌町の先端技術を駆使したまちづくりの現場を見てきました
こんにちは。リージョナルキャリア北海道のコンサルタント、千葉です。
先日、上士幌町にワーケーションに行ってきました。
2月に実施した斜里町ワーケーションと同様に、北海道上士幌町デジタル推進課 梶達課長に弊社主催 RESIBON BAR にご登壇いただいたことをきっかけに今回のワーケーションが実現しました。
今回は、現地で梶課長および同課鈴木勇汰主査より伺ったデジタル推進課の取り組みや実際に体験した内容をご紹介します。
※以下、写真はすべて筆者撮影です
<目次>
上士幌町の概要
上士幌町は北海道十勝地方北部に位置する、人口4,776人、世帯数2,566を有する町です(札幌から東に約220km、車で3時間半ほどの距離)。
産業は畑作や酪農、農業、林業などの第一次産業が盛ん(町内に牛は約40,000頭!)であり、また、ぬかびら温泉郷や北海道バルーンフェスティバルをはじめとする観光業も有名です。
参考:(※最終閲覧日:2024年3月29日)
上士幌町 町の概要:https://www.kamishihoro.jp/about
上士幌町 人口・世帯数:https://www.kamishihoro.jp/population
上士幌町の取り組み~デジタル推進~
上士幌町は全国的にも注目される取り組みをデジタル領域で推進しています。その中でも、私たちが特に面白いと感じた事例を紹介します。
|自動運転バス
全国の自治体の中でも数例しかない取り組みで、現在のレベル2(ドライバー乗車必須、一部機能のみ自動化された運行)運行から、今年2024年度中にはレベル4(ドライバー乗車不要、特定条件下における完全自動運転)の運行を目指しています。
実際に自動運転バスに乗車しました!
レベル2条件下の運転のためカーブなどはコントローラーで操作します(とあるゲーム機のコントローラーを使用しています...!)。
目的地に到着。およそ15分~20分ほどの乗車ですが、スムーズな運行でした!
レベル4に加え、予約をすると運行する乗り合いの公共交通機関である「オンデマンド交通」を実現することで、人手不足対策・効率的な運行実現・町民の外出機会創出など、未来の街づくりに向けた大きな取り組みとして期待されています。
※すでに高齢者等福祉バスはデマンド交通を導入済
※参照:
DEGITAL SHIFT TIMES自動運転レベル2はどんな技術?メーカーごとの車種を徹底解説(※最終閲覧日:2024年3月29日)
|ドローン配送
上士幌町はドローンの活用もいち早く実施しています。
町民人口約5,000人、南北に48㎞と縦長の地形に対して、南部市街地に約4,000人、近接する農村エリアに約900人、中央部ぬかびら地区に約100人、北部三股エリアに4人と、点在する世帯分布に対して、遠隔地向けにドローンを利用することで配送の最適化を図っています。
今回のワーケーション中、実際にランチをドローンで運んでもらいました!
▽左;ドローン着地前 真ん中:ドローン到着 右:ドローンがお弁当を運び、元の拠点に帰りました(当日はドローン操作補助の方も参加)
豚丼を美味しくいただきました!
現在、「レベル3.5」(市街地などの上空を飛ぶ「レベル4」と、地上の補助者や標識を使って人のいない場所を飛ぶ「レベル3」との中間)飛行を2023年12月から実施しており、これまで、上音更地区については新聞が翌日配送でしたが、ドローンにより当日配送を実現しています。
|無人コンビニ(かみしほろマルシェ)
上士幌町には「かみしほろマルシェ」という無人コンビニがコインランドリーに隣接してあります。
NTT東日本、テルウェル東日本、TKF、民間3社と連携して2023年4月に設立されました。
自治体としては慢性的な人手不足に対する省人化の打ち手として、また、民間3社としては天井にAIカメラを設置することで、商品に手が伸びた回数など、消費者の動向や購入過程から分析を行うデータ経営のモデル店舗として運営されています。
専用のアプリをダウンロードして買い物をしますが、店内には専用の端末もあるため、スマートフォンを持っていない方、スマートフォンを忘れた方なども購入できます。
私たちも買い物をしましたが、とても簡単にショッピングができました!
▽日用品・お土産など幅広いラインナップ
上士幌町の取り組み~企業誘致~
「デジタル推進課」はDXやICTを活用した取り組みだけではなく、企業誘致も担当しています。テレワークや二拠点生活をサポートする取り組みを実施しており、その事例を紹介します。
|シェアハウス
上士幌町役場から車で3分、「かみしほろシェアOFFICE」があります。
「都会と田舎をシェアする」をコンセプトに、新しい働き方ができるスペースとして町外企業専用に2020年に設立されました。
コンセプト通り、オフィスからは大雪山を眺めることができ、自然に囲まれながらリラックスした環境で仕事をすることができます。
ちなみに、「かみしほろシェアOFFICE」企画・運営に携わっていた辻さんは町おこし協力隊出身で、現在も「かみしほろデザインワークショップ」を開催しています。
また、そのワークショップで生まれたデザインをより多くの方に知ってもらう「かみしほろデザイン展」を運営するなど、上士幌町を拠点に活躍されています。
|にっぽうの家
2拠点生活や短期移住の宿泊施設として「にっぽうの家」も自治体で運営しています。
「にっぽうの家」は、無印良品を運営する良品計画ブランド「MUJIハウス」として建築、東棟西棟の2棟構成で、各棟1Fにリビング・ダイニング、2Fに寝室4部屋あり、大人数でもゆとりある広さになっています。
家具はほぼすべて無印良品の商品のため、ファンは特に大喜び間違いなしです!
私たちも一泊しましたが、憧れの家に生活できている錯覚を体験でき、一泊では全然足りないほど素敵な空間でした。
|航空サブスクプラン(とかち帯広空港-羽田空港)
上士幌町はJALと連携して、上士幌町にワーケーションに来る方を対象に、羽田空港-とかち帯広空港間のJAL便乗り放題サービス「航空サブスクプラン」の販売を実証実験として開始しました(※2024年2月29日申し込み終了済)。
上述したテレワーク施設「かみしほろシェアOFFICE」や「にっぽうの家」を往復の間に1回以上使用すること、滞在期間中は上士幌町内に宿泊することなど、利用制限を満たすことができれば、初回搭乗から60日間(2023年10月16日~2024年3月31日)、121,000円/名で乗り放題というプランです!
実際に応募もあり、各ワーケーション施設を体験したうえで、大満足できるサービスであることは間違いありません。
|Two-way留学
子どものいる世帯へ二拠点生活や短期の移住体験を促進することを目的に「Two-way留学」を導入しています。この制度を活用することで、上士幌町滞在中、お子さんも上士幌町内の学校に通うことができ、よりリアルな移住後の生活を体験することができます。
※今回、中学校や周辺施設の見学もできました。
▽上士幌中学校;木目調の清潔感あるデザインで、開放感ある学び舎
▽生涯学習センターわっか:図書館やプレイルーム、カフェなど設置され、子どもたちの放課後遊び場スポット
まとめ
今回ご紹介した上士幌町デジタル推進課の取り組みは、ほんの一部です。
他にも上士幌町企業と都会のビジネスパーソンをマッチする「かみしほろ縁ハンスPROJECT」やバイオガス発電によりカーボンオフセット事業など、今回の記事には書き切れないほど、様々な取り組みをされています。
特に、どの取り組みも民間企業を巻き込み実施まで漕ぎ着けていることに、町のエネルギーを感じました。
百聞は一見に如かず、ぜひ皆さんも現地に訪れて町の取り組み、熱量を感じてみてください!
直近2回のワーケーション(斜里町・上士幌町)に参加した感想として、両町とも、私たちリージョンズのVisionである「挑戦する人と企業が溢れる地域をつくる」を体現した地域のように感じました。
このような地域をもっともっとつくるため、私たちもパッションある自治体や企業、候補者の皆さんを応援してまいります!
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