2023.03.16
北海道の歴史探訪 ~道内各地の歴史的遺構を巡る~
こんにちは。リージョナルキャリア北海道スタッフです。
北海道は日本の中では歴史的遺構が少ない地域と言われていますが、それでも近現代の北海道を支えた産業や、人々の暮らしの跡を垣間見て、その歴史に思いを馳せることができる場所があります。
今回はそのような場所を3箇所、ご紹介します。
※写真は全て、見学可能な場所から撮影しています
三笠市:3つの炭鉱遺産と化石群
札幌から北へ約50㎞、かつては炭鉱の町として栄え、古代化石の発掘でも有名な町、三笠市。市内の広域が「三笠ジオパーク」に指定されているほか、明治~昭和時代に3つの炭鉱が栄えた時代の遺構を多数見ることができます。
「三笠市立博物館」では市内で発掘された多数の化石を見ることができるほか、炭鉱の歴史を展示するコーナーもあります。
※三笠市立博物館内(以下、特記のない写真はすべて筆者撮影)
博物館の裏手では、旧幾春別炭鉱(いくしゅんべつ炭鉱)を見学できます。
これは、「幾春別炭鉱錦立抗櫓」という石炭採掘に使用された施設です。
この竪坑櫓、地上高は10m程度ですが、地下は215mの深さがあるそうです。1920年に設置され、現存する北海道内の立抗櫓では最古のものと言われています。
櫓上部には「北海道炭鉱鉄道会社」の社章も掲げられており、当時の面影を見ることができます。
当時、石炭を運んでいた鉄道が走っていたルートは、現在遊歩道となっています。
また幾春別炭鉱跡地の他にも、この付近には旧奔別炭鉱、幌内炭鉱の各エリアがあり、それぞれ歴史的遺構を見ることができます。なお、私有地のため道路からのみの見学となるエリアもあるのでご注意ください。見ることができる建物の一部をご紹介します。
■旧奔別炭鉱
■旧北海道炭鉱汽船 幌内炭鉱変電所
美唄市:三菱美唄炭鉱
次にご紹介するのは、美唄市にある三菱美唄炭鉱跡地です。こちらは炭鉱があった場所が公園になっており、自由に見学することができます。
この三菱美唄炭鉱の櫓はだいだい色の美しい姿で、現在もその姿をとどめています。
同じ公園内にはいくつかの古い建物も残されています。
この場所のかつての姿は恐らくこの写真の通りです。だいだい色の櫓の往年の姿が、こちらの写真から見て取れます。
※左は筆者撮影、右は「三菱美唄記念館」の展示写真を筆者撮影
近くには、三菱美唄記念館という、小さな博物館があります。当時の炭鉱の様子や働いていた人、住んでいた人の記憶・記録が残された貴重な記念館だと感じました。
※画像引用:美唄市HP「三菱美唄記念館(三菱美唄炭鉱の記念館)」(最終閲覧日2023年3月17日)
※「三菱美唄記念館」にて筆者撮影
こちらはかつて炭鉱で働いていた方々が住んでいた、常盤台という住宅街の写真です。
これら昔の記憶を残す写真群も多数展示されています。ほかにも、実際に炭鉱で使われていた道具や、発掘された石炭なども展示されています。
市内には、かつては多くの人が往来していたであろう橋も残されていました。
■北海道公式HPより、炭鉱メモリアル森林公園
https://www.sorachi.pref.hokkaido.lg.jp/ts/tss/yama/resource/bi_006.html
■三菱美唄記念館
洞爺湖有珠山 金比羅山麓ルート
次にご紹介するのは、洞爺湖の近くで、ダイナミックな火山の自然に触れることができる場所のご紹介です。2000年3月に起こった有珠山2000年噴火の影響で、ここの地域は人が住むことが出来なくなってしまったそうです。
ここは、その噴火の遺構として、当時の建物が一部残されているほか、当時の噴火口を見学する登山ルートも整備されています。
山麓の団地は一部残され、見学ルートとなっています。(中には入れません)
団地内にある温浴施設だったそうですが、噴火の時の泥流により、内部は土に埋もれてしまっています。窓の向こうには洞爺湖が見え、当時は湖を眺める絶景の温浴施設だったのかなと思います。
当時の噴火口は2つあり、それらは「有くん」「珠ちゃん」と名付けられ、近くまで散策することができます。この火口は、現在はきれいなブルーの水をたたえる美しい湖になっていました。
今は人が住めなくなってしまった当時の街の一部を散策できるように、遊歩道が整備されています。
これもまた北海道の自然と歴史、それを伝える歴史的遺産と思います。
■洞爺湖有珠山ジオパークサイト
https://www.toya-usu-geopark.org/
■有珠山2000年噴火の記録(胆振総合振興局サイトより)
https://www.iburi.pref.hokkaido.lg.jp/kk/mkk/mur-dogen/usuzan/usuzan2.html
まとめ
以上、道内3箇所の歴史的遺構をご紹介させていただきました。
いずれも、北海道が持つ独特の歴史や自然に触れることができる場所だと思います。道内にお住いの皆さんも、道外からいらっしゃる方も、少しマニアックなこれらの場所に足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
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