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レジャー2022.11.18

札幌で「寄席」を楽しむ ~「狸寄席」から「だるま寄席」へ ~

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皆さんは「寄席」に行ったことがありますか?札幌にもかつて常設の寄席があり、庶民にとっての娯楽として明治時代に栄えていました。しかし、様々な娯楽の台頭により現在はその姿を見ることができません。


そんな中、札幌に常設の寄席をつくりたいという思いから生まれた「狸寄席」そしてその想いを継いだ「だるま寄席」が登場しました。今回はこのふたつの寄席についてご紹介します。


「寄席」とは


そもそも「寄席」とは、大衆的な演芸場のことであり、行われる興行それ自体も指します。落語が主流となっていますが、「色物」と呼ばれる落語以外の総合的な出し物(講談や物まね、漫才、手品など)も見ることができるまさにエンターテインメントを圧縮した空間。最後の出演者はトリと呼ばれ、基本的には真打ちの落語家のみがトリを務められることになっています。


寄席のはじまりは18世紀にまで遡り、一時期は爆発的に常設小屋を増やしていましたが、ラジオやテレビといった新しい娯楽の台頭とともに徐々にその数を減らしていきました。しかし現在も、伝統的な芸能を下支えする空間として、また落語家や色物師が芸を磨くことのできる空間として、東京や大阪をはじめ各地でその役割を果たしています。


狸小路で楽しめる「狸寄席」


札幌にも、かつて中心部には7席もの寄席があったと言われています。しかし、多様な娯楽の出現により徐々に数を減らしていきました。


そんな中、2013年に狸小路5丁目の劇場「札幌プラザ2・5」(現在は「サツゲキ」という映画館になっています)を会場とする「狸寄席」が立ち上がりました。

運営したのは「狸小路に常設演芸場をつくる会」。明治時代には狸小路にも寄席があったという記録があったことから、狸小路を拠点として札幌で定期的な寄席を行う活動を進めていました。


狸寄席が大切にしていたのは、本来の寄席ならではの雰囲気。本場江戸の寄席は、お弁当を食べたりお酒を飲んだりしながら、リラックスした状態で見るものです。現在は飲食ができない寄席も多い中、あえて本場の空気を札幌でも再現しようと、狸寄席では飲食を楽しみながらふらりと気軽に立ち寄れるスタイルを徹底しています。着物で訪れると珈琲やビールなどの飲み物を一杯サービスしてくれるといった嬉しい特典もありました。


色物の演者には地元の芸人らも多数出演しており、札幌の演芸を盛り上げようという気合をこれでもかと感じられるものでした。ゆくゆくは、狸小路へ着物姿の人が自然と集まり、商店街の食べ物や飲み物を楽しみながら、寄席に立ち寄っていく。人々の交流が活発になり、狸小路から札幌のまち全体がにぎわっていく。そのようなビジョンを掲げられていたのだそうです。


筆者も狸寄席には何度か行ったことがあります。札幌で活躍されているパフォーマーの方々を直接見られたことに感動しましたし、なにより初めて生で落語を聞いた衝撃たるや。味わい深い古典落語だけではなく、現代の私たちでも情景を想像しやすい現代の創作落語を楽しむこともでき、あっという間に時間が過ぎていきました。その時に聞いた人情落語の演目「井戸の茶碗」は今でも一番のお気に入りです。会場には着流しの人もちらほら見かけられ、ビールを片手に談笑する方や、お菓子を食べながら食い入るように舞台上を見る子供たちなど、思い思いに心地よい時間を過ごしていました。


残念ながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により寄席は一時的に中止となりました。そして、狸寄席はその魂をだるま十区の運営する「だるま寄席」へと引き継がれることになったのです。


だるま寄席とは


だるま寄席は、「一般社団法人だるま十区」が運営する寄席です。だるま十区とは、札幌市内の全10区に常設演芸場をつくることを目指す団体で、北海道の芸能向上と普及を図り、芸能文化の発展を目的としています。


現在は最初の一歩として平岸に常設演芸場をつくることを目指しており、ダルマホールを会場とした「だるま寄席」を2023年4月より開始する予定となっています。

狸寄席と同様に、気軽に立ち寄って飲食をしながら楽しめる寄席のスタイルで、着物を着ていくことで、飲み物のサービスをしてもらえる嬉しい特典も継続。また、会が終わった後は「交流会」を楽しめるなど、より新しい取り組みにもチャレンジをしていくようです。


そしてなんと、だるま寄席のプレ講演となる「プレだるま寄席」が、2022年12月10日(土)に開催されます!出演される落語家のうち、入船亭扇太(いりふねてい せんた)さんは北海道士別市のご出身。色物担当の出演者も北海道出身の方が多数登場されますので、興味を持った方はぜひふらっと立ち寄ってみませんか。


「プレだるま寄席」

・開催日 2022/12/10

・会場 ダルマホール

    札幌市豊平区平岸2条4丁目5-15平岸ハイヤー内

    地下鉄南北線平岸駅より徒歩5分

・開演 1 部 開場 13:30 開演 14:00~16:00 終演予定

    2 部 開場 16:30 開演 17:00~19:00 終演予定

・前売 3,000円

https://daruma-hiragishi.jp/daruma10q/




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