転職成功者インタビュー

生活協同組合コープさっぽろ
田中浩一さん(仮名・ITシステム) 51歳

「組合員のため」で判断できる組織に惹かれた転職。エンドユーザーの声が届く現場へ。

長年IT分野で製品やシステムの開発、技術部門のマネジメントに携わってきた田中さん。会社が成長するなかで経営方針が変わり、これまで大切にしてきた「顧客のためのものづくり」との間にギャップを感じるようになったという。

一度仕事から離れ、自身の働き方を見直したことが転機となる。もともと好きだった北海道を訪れたことをきっかけに、定年後に考えていた北海道への移住を現実的な選択肢として考え始め、転職活動に動き出した。

最終的に入社を決めたのが、コープさっぽろだった。「組合員が出資者であり、サービスを利用する側でもある」という組織のあり方に強く惹かれたという。そんな田中さんに、北海道への転職を決めた経緯と現在の仕事の手応えを伺った。

※本記事の内容は、2026年9月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで69日間

転職前

業種
IT関連
職種
技術・開発
業務内容
製品やシステムの開発、技術部門のマネジメント。

転職後

業種
生活協同組合
職種
ITシステム
業務内容
店舗向けITシステムの導入・運用を統括。

自分が目指す方向性との間に感じた違和感。エンドユーザーと向き合える仕事へ。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

コープさっぽろのデジタル推進本部で、店舗向けITシステムの導入や運用を担当しています。以前は宅配や組合員管理のシステムを扱う部署に所属していましたが、組織改編に伴い、現在は店舗のフルセルフレジや電子棚札といった現場に直結するデジタル化の推進を担う立場に変わりました。

コープさっぽろは、店舗や宅配を通じて北海道の暮らしを広く支えるインフラ的な役割を担っています。その基盤を支えるデジタル推進本部は全体で100名を超え、私の部門だけでも約30名規模の組織です。この大きな体制のもと、地域社会の利便性に直結する店舗のデジタル化に取り組んでいます。

入社前のご経歴を教えてください。

関西出身で、大学卒業後は大手自動車関連企業に入社し、システム部門で業務システムの開発や運用に携わりました。

その後、IT関連企業で長年にわたって製品やシステムの企画・開発、生産に至るまで幅広く従事しました。最終的には技術部門のマネジメントを担い、開発から生産までの全工程を統括する立場を務めました。

転職のきっかけは?

会社が成長するなかで、経営方針や判断基準も少しずつ変わり、次第に自分の目指す方向性との間にギャップを感じるようになりました。顧客や仲間への責任感から向き合い続けていましたが、「新しいことに挑戦したい」という気持ちが薄れていることに気付いたのです。

そんな折に体調を崩し、半年ほど休養することになりました。休んでみると、自分がいなくても会社は問題なく回っていました。それまで「自分がやらなければ」と思っていたのですが、そうではなかったのかもしれないと感じたのです。

体調が戻ったあとに向かったのは、もともと好きで将来的な移住を望んでいた北海道です。現地で過ごすうちに「定年を待つのではなく、今このタイミングで移住を決断してもいいのではないか」という想いが芽生えてきました。滞在先のホテルでさっそく職務経歴書を作成し、転職相談に向かったのを覚えています。

転職活動はどのように進めましたか?

最初に相談した窓口では、希望に合う求人の紹介が難しい状況でした。そこでインターネットで探し、リージョナルキャリア北海道(運営:リージョンズ株式会社)にたどり着きました。

別の紹介サービスでは紹介が1社だけでしたが、リージョナルキャリア北海道では、コープさっぽろを含めて複数の企業を紹介してもらえ、コンサルタントと相談しながら選考を進めました。

今の会社に決めたポイントは?

転職先に求めていたのは、「ものづくりに携われること」と「エンドユーザー向けの事業をしている組織であること」の二つでした。その条件に最も合っていたのが、コープさっぽろでした。

とくに強く惹かれたのは、「組合員が出資者であり、サービスを利用する側でもある」という生協独自の組織構造です。一般的な株式会社では株主と顧客が必ずしも一致するわけではありませんが、生協ではその立場が一致しています。

前職では事業の拡大に伴い、どうしても株主を意識した意思決定が増えていました。でもここなら、純粋に「組合員のためになるか」を最優先に判断できます。この環境であれば、心から納得して仕事に向き合えると思えました。

また、北海道の暮らしを支える組織であることにも魅力を感じました。面接で話した職員の熱意も、入社を決める後押しになりました。

自分が「使う人」になったことで見えた、仕事の手応え。

転職していかがですか?

実際に入ってみると、想像以上に組織の規模は大きかったですね。前職は100名ほどでしたが、コープさっぽろは従業員が1万5千人を超える組織です。

店舗ひとつを取っても多くの部門が複雑に関わっており、指揮命令系統も一筋縄ではいきません。そのため、システムを導入するときには、関係する部門と合意を取りながら進める必要があります。難しさはありますが、今の自分に求められている役割の一つだと感じています。

転職して良かったと思うことは?

前職では企業向けの製品を扱っていたため、自分自身がユーザーになる機会はほとんどありませんでした。今はアプリやセルフレジなど、自分が開発や導入に関わったシステムを一人の組合員として実際に使えます。自分の手がけたものを自分で確かめられる。これは素直に面白いですね。

判断軸も違います。まず「組合員にとって何がいいか」を考えて議論できるのが、この組織の魅力です。もちろんコストや納期は考えますが、単に予算都合で判断するのではなく、組合員にとって必要かどうかを本質的に議論できる環境があります。

また、既存システムには古いものも多く、施策がシステムの制約で実現できないこともあります。ただ、見方を変えれば、それだけ改善の余地があるということです。単なるシステムの置き換えにとどまらず、事業そのものを良くしていける点にも面白さを感じています。

困っていることや課題はありますか?

一番の課題は人手不足です。私はデジタル推進本部の採用業務も担当しているのですが、直近は特に関係者の意見をまとめながらプロジェクトを進められる人材の採用を強化しています。

もうひとつのテーマは、エンジニアと店舗現場とのコミュニケーションです。そこで、事業部とシステム部の間に立つ専任チームを立ち上げました。店舗を回りながら現場への理解を深め、事業部と一緒に課題を整理しています。システム側から一歩踏み込み、現場と同じ目線で考えることを大切にしています。

生活面の変化はありましたか?

通勤時間が以前より短縮され、プライベートに使える時間が大幅に増えました。北海道の気候や食も期待通りで、充実した毎日を過ごしています。

実は、妻の方が私以上に北海道への移住を望んでいたこともあり、今の暮らしへの満足度は私より高いかもしれません。定年後まで待たず、このタイミングで移住して本当に良かったです。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職を決める前でも、気軽に話を聞いて回ることをお勧めします。私自身も、最初から転職を決めていたわけではありません。まず北海道にどのような仕事があるのかを知るところから始めました。自分から動かないと何も変わりません。

一方で、採用する企業は転職回数や転職理由も見ています。「なぜ転職したいのか」「なぜその会社に興味を持ったのか」を、自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。

加えて、対面での面談や面接の機会も大切にしてほしいですね。オンラインだけでは分からない、直接会ったときの空気感があります。可能であれば職場見学も含め、実際に働く人や場所に触れる機会を持ってください。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
笹本 香菜

田中さんは、転職活動の初期段階から、ご自身の軸をはっきりと言葉にされていました。長年培ってこられたIT・開発分野の実績に加え、「ものづくりに携われること」「エンドユーザー向けの事業であること」という二つの軸を一貫して持ち続けていた姿勢が深く印象に残っています。

複数社の選考が進むなかで田中さんが特に惹かれていたのが、コープさっぽろでした。組織の特性をご自身の観点で捉え、前職で感じていた違和感と向き合ったうえで、納得して入社を決められました。

入社後は大きな組織ならではの難しさに正面から向き合いながら、現場とシステムをつなぐ体制づくりに尽力されています。確かな経験と信念をもった田中さんの、今後のさらなるご活躍が楽しみです。

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