転職成功者インタビュー

国立大学法人 北海道大学
筧拓也さん(産学協働マネージャー) 28歳

大学で、キャリアを活かす。1人では見つけられなかった選択肢の先に、理想の職場が待っていた。

愛知県出身の筧さんは北海道大学を卒業後、グローバルに事業を展開する大手メーカーに就職し、関西地区に配属。法務のスペシャリストとしてキャリアを積んでいた。そんな筧さんが転職することになったきっかけは、結婚だった。大学時代に知り合ったパートナーは札幌市の出身で、そのまま地元でキャリアをスタートさせていた。結婚するとすれば、彼女が関西に来るか、自分が札幌へ行くか。時間をかけて話し合った結果、筧さんが札幌へ転職する決断をしたのだ。

だが同時に筧さんは、「札幌ならどこでもいいわけじゃない」と転職先に明確な条件も設けていた。「これまでの法務経験を活かした業務ができること。なおかつ、国際的な業務にも携われること。この2つは譲れませんでした」。しかし北海道ではかなりハードルが高く、転職活動の難航も覚悟していたが、リージョナルキャリア北海道に相談してみると、すぐに希望通りの転職先と出会えたという。

「まさか大学で働くなんて考えてもいませんでしたが、想像以上に楽しい職場です!」と話す筧さんの表情は、新天地で見つけた新たなやりがいで輝いていた。

(※本記事の内容は、2022年7月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで102日間

転職前

業種
電機メーカー
職種
法務・コンプライアンス
業務内容
国内・国際契約の審査・交渉やグローバルでのコンプライアンス推進、社内の法律相談など

転職後

業種
教育(大学)
職種
法務・知財
業務内容
国内・国際契約の審査・交渉や学内の現場力向上のための啓発活動、ルールメイキング活動など

結婚して家庭を作るなら、自分が札幌に転職することがベストと判断。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

北海道大学の産学・地域協働推進機構 産学連携推進本部で、知的財産に関する法務業務を担当しています。メインは国内外の企業様との共同研究契約やライセンス契約などの知財契約に関する業務ですね。大学がなした研究成果(シーズ)をビジネスで使っていただくにあたり、その条件について日々企業様と交渉しています。大学のシーズと企業様のニーズを深く理解した上で、産学双方にとって最適な合意点に導けるよう努めています。

その他、学内ルールの整備や現場力向上のための啓発活動、行政ロビイングや他大学との連携によるルールメイキング活動などにも取り組んでいます。

入社前のご経歴を教えてください。

出身は愛知県ですが、北海道大学法学部に進学し、卒業後は法律の専門性を活かして日本企業の国際競争力に貢献したいと考えて、大手電機メーカーに就職しました。家電事業の法務・コンプライアンス部門に配属され、国内・国際の契約審査、交渉やグローバルでの適正な広告・宣伝を実現するためのコンプライアンス推進、その他社内の法律相談などに携わってきました。

転職のきっかけは?

転職のきっかけは、結婚です。大学時代に知り合ったパートナーは札幌出身で、卒業後はそのまま札幌で就職し、キャリアをスタートさせていました。しばらくは遠距離交際を続けていたのですが、彼女が働き始めて1年ほど経った頃から結婚や将来について話し合うようになりました。彼女が関西に来るという選択肢もありましたが、お互いの家族を巻き込んで話し合った結果、私が札幌に転職する方がベストだろうと判断したんです。

私としては前の職場での仕事も楽しくてやりがいを感じていましたので、非常に難しい決断でした。でも、彼女のキャリアにとっては札幌で仕事を続けることが望ましかったし、私自身も大学時代を過ごした札幌に愛着がありましたので、札幌で新しい挑戦をすることにしたんです。

転職活動はどのように進めましたか?

札幌ならどこでもよかったわけではなくて、これまでの法務経験を活かした業務ができること、英語や中国語を使った国際的な業務ができること、この2つを私の中では絶対条件にしていました。でもそんな仕事が北海道で簡単に見つかるわけはないと思っていたので、時間をかけてゆっくり探そうと考えていたんです。実際、1人でネットで情報を集めていても、法務の求人は数えるほどしかありませんでしたし、なおかつ国際的な業務にも携われる仕事となると、ほとんど見つかりませんでした。

そんな折、ある方からリージョナルキャリア北海道を教えてもらい、転職条件や希望を担当コンサルタントにお伝えしたところ、今の職場を紹介してくれたんです。

驚きましたね。自分の母校ではありましたが、そういう仕事があることは知りませんでしたし、大学で働くという選択肢が頭にありませんでしたから。自分のこれまでのキャリアがマッチするのか、不安もあったんですが、とりあえず受けてみることにしたんです。

今の職場に決めたポイントは?

ポイントは2つありました。1つ目は、自分の希望通りの仕事内容だったことです。法務の仕事を続けることができそうでしたし、国内外のいろいろな企業様とやりとりができる点も魅力に感じました。

2つ目は、責任者の人柄です。今の上司や各部門の責任者が面接してくれたんですが、私のこれまでの専門性を評価してくれましたし、「自分は若すぎないか?」という不安も払拭してくれました。ここだったら自分の力を発揮できそうだと感じました。

やりがい、多様性、働きやすさを兼ね備えた職場。

転職していかがですか?

想像以上に楽しく仕事ができています。現在の職場には、3つ良いところがあるなと思っています。

1つ目は、やりがい。特に私は、データの利活用と人工知能(AI)の権利の問題など、実務上の取扱いが未だ定まっていない、新しい分野を任せてもらっているんです。一から勉強をしないといけないことも多くて大変なのですが、とても面白いです。今までの仕事の延長線上でありながらも、自分たちで「創造する」部分も多いので、やりがいを感じています。

2つ目は、多様性です。私の職場にはいろんな背景を持つ仲間が集まっているんです。大学で研究していた人もいれば、企業から来た人もいます。弁護士や弁理士といった人たちもいて、非常にバラエティに富んだ職場です。また、北海道大学は総合大学ですので、いろんな学部があり、ありとあらゆる事業領域も持っていますから、いろんな業種や業界の人たちとも仕事をすることができます。それぞれの業種や業界に文化があり、知財に関する考え方も違うので、教えてもらうことで自分の引き出しが増えていくのを感じています。

3つ目は、働きやすさですね。私のオフィスは、職場が牧場や農場に囲まれた環境にあって、とってものどか。仕事を終える時間も各自の裁量に任されていますので、家庭との両立もしやすいです。

転職して良かったと思うことは?

今回の転職は、将来自分がどうなりたいのか、どんな仕事をしていきたいのかを、考えるきっかけになりました。それがすごく良かったです。前職を離れることは私にとって苦渋の決断でしたが、前の職場の方たちは私の挑戦を応援し、いろいろとアドバイスしてくれ、人の温かさを感じることができました。事業部の方から「これまで良い仕事をありがとう」と言ってもらえたことも決して忘れません。

将来についても、新しい環境で、新しいことに挑戦できることは良いことと思っています。国立大学は今、国からの交付金に頼るのではなく、大学が積み上げてきた研究成果を基に自ら外部資金を獲得する必要に迫られています。母校である北海道大学の発展に貢献することで、地域が元気になると良いと思いますし、北海道大学にとどまらず、大学間のネットワークで発信をし、議論を巻き起こしながら、大学業界全体の底上げにも貢献していきたいと思っています。

困っていることや課題はありますか?

友人はまだ少ないですね。大学の同級生はほとんど本州に行っていますし、職場はコロナ禍で飲み会もできませんでしたから。これからゆっくり交友関係を広げていきたいと思っています。

生活面の変化はありましたか?

転職した3か月後に結婚しました。今は職場まで20分ほどの賃貸マンションで暮らしています。前職の時は会社の寮に住んでいたので、生活は大きく変わりましたね。寮はキッチンもなかったし、風呂もトイレも共用だったので(笑)。

転職してからは帰る時間も早くなりました。今は18時半には帰宅しています。妻と分担して、夕食も作っていますよ。休日も充実しました。土日は二人でよくドライブに出かけています。お気に入りは、道の駅。北海道にはたくさん点在しているので、いろんな道の駅に出かけて、その土地の農産物や海産物を買い物しています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職するにあたって私は、自分なりの「譲れないポイント」を考えて、納得がいくまで探しました。その結果、今の職場と出会えたので、とても満足できているんだと思います。それも、リージョナルキャリア北海道と出会えたおかげなので、とても感謝しています。大学で働くという選択肢は全く考えていませんでしたし、一般的にも見過ごされがちですが、私にとってベストな仕事はそこにありました。

今回、私は転職先を1人で探し続けるのは限界があるなと実感しました。今回の求人もネットには出ていませんでしたからね。転職活動をするなら転職支援会社を活用したほうがいいと思いますし、特にリージョナルキャリア北海道のように、地元に強いパイプを持つ転職支援会社の活用をおすすめしたいと思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
笹本 香菜

北海道大学を卒業後、大手メーカーで法務のキャリアを積まれてきた筧さん。お付き合いされている方との結婚を機に北海道への転職を検討しているというご相談でした。お話した際の第一印象はクレバーで、落ち着いた話ぶりの中にも芯の強さが感じられました。

詳しく事情をお伺いすると、大学時代に法学部で学んだバックグラウンドを活かし、国際的な法務業務に携われるメーカーでの仕事にはやりがいを感じているとのこと。北海道で転職をするにしても、自身のやりたいことを実現できるフィールドにこだわりたいという明確な意志を持っていらっしゃるのが印象的でした。

現在は、家族との時間を大切にされながらも、産学連携のプロジェクトに携わり、本人の想像を超えたやりがいや面白さを感じられているようで、この出会いに関われたことを非常に嬉しく思います。今後のさらなるご活躍を楽しみにしています。

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