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パートナーと共に成長するダイレクトマーケティング企業。

フュージョン株式会社
代表取締役社長 佐々木 卓也

更新日:2018年3月28日

1974年生まれ、帯広市出身。2000年、大手印刷会社からフュージョン株式会社に入社。2011年5月代表取締役社長に就任。米国DMA公認ダイレクトマーケティングプロフェッショナル。
※所属・役職等は取材時点のものです。

データベースを中心とした全く新しいマーケティング会社として創業。

当社は1991年、「知識融合化法」という国の時限立法のもとに設立した会社です。この法律は知識の融合によって新たな事業を創出することを目的としたもので、当社はデータベース・ダイレクトマーケティングを基軸とした全く新しいマーケティング会社として認定され、創業しました。

「知識融合化法」は17年間の時限立法でしたが、その間に認定された10数社のうち現在まで生き残ったのは、結果的に当社のみです。

「ターゲットを絞り込み、企業と生活者の間に継続的な1対1のコミュニケーションを提供し、その距離を縮め、双方が価値や喜びを共有できること」、これが私たちの実践するダイレクトマーケティングです。ダイレクトマーケティングが活用できるメディアは増え続ける一方で、近年のインターネットを活用した販促活動においては、ダイレクトマーケティングと見なせないものを探すほうが難しくなっています。

デザイナーから転身、マーケティングの世界へ。

私の前職は大手印刷会社のデザイナーです。2000年に「マーケティング」という言葉に惹かれ、この世界に飛び込みました。入社後、「マーケティングの何たるか」を知るために、当時の社長からの命を受けて日本トップクラスのマーケティング会社へ修行入り。そこでは大変厳しく育てていただきました。

そのころ当社は、国の支援のもとで創業したものの「データベースを中心に、マーケティング支援ができる会社」というビジネスモデルの実現に、かなりの時間を要していました。そのような状況のなか、修行先から戻った私のミッションは「ダイレクトマーケティングを当社のビジネスモデルにする」こと。北海道内の各地を巡り、飛び込み営業もしました。

そして2002年、ある大手流通企業の大型案件をコンペの末に獲得したことで、会社に転機が訪れました。必要な投資額は当時の全売上の7割ほどと、大変重い案件ではありましたが、社長はゴーサインを出しました。まだ社員数5人の時代にです。しかしこの仕事が、当社の成長への節目となったのです。

ワンストップサービスでクライアントを全方位からサポート。

市場規模を考えたとき、東京だと何か一つに特化したビジネス展開も可能ですが、北海道だとそうはいきません。そのため、私たちはクライアントからの幅広く多方面にわたる相談を、ワンストップであらゆる面からサポートする必要があります。

そもそもマーケティングとは、変化に対応しながら「誰に・いつ・何が必要か(売れるか)」を考え続けていく仕事です。こうした北海道ならではの事情が「マーケティングに関わるあらゆる業務のワンストップサービス」という、私たち独自のマーケティングスタイルの構築につながったと思います。

一つひとつ仕事を積み上げ、マーケティングの精度を上げる。

我々の主要顧客である流通業界は、世界的にすさまじい変化の流れの中にあります。EC企業とリアル店舗で事業を展開する企業という、まったく異なる世界で競い合っていた両社が、相次いで協業する状況も生まれています。

またこうして、ECとリアルが共存する時代になって改めて、マーケティングは「人対人」のビジネスである、ということを再認識しています。人々の嗜好というのは複雑で、「暑いから冷たいもの、寒いから温かいもの」という単純なものだけではなく「寒いけれどアイスクリームが食べたい、暑いけれどお鍋を食べたい」というものもあるのです。こうした多趣多様な嗜好に対して価格や品質、伝え方、場所、形態を考えることは、我々が実践しているダイレクトマーケティングの難しさでもあり、腕のみせどころでもあります。

まず我々は、すべての販売活動における要素を一つひとつ細かく精査し、それらのデータをもとに人々の意思決定の仕組みを導き出すことで、アクションのきっかけとなる仕掛けを考えます。こうしてマーケティングの精度を上げ、最終的にはクライアントの売り上げ・利益のサポートにつなげていかなくてはなりません。

また、クライアントの投資対効果を高めるためには、マーケティングパートナーとしてなんでも相談ができ、信頼されることが何よりも大切だと感じています。対話から生まれた課題に対する策を、机上論ではなく、いかに泥臭く実行し、目に見える成果を出せるか。そこがコンサルティング会社と我々マーケティング会社の違いです。

そして、マーケティングの最大の課題、あるいは難題となるのが「財布を開く理由」です。たくさんの要素があるため「一つの方程式」では解決できず、データだけでも簡単には明らかにならない、永遠の課題だと思います。現在は一つの道具としてAIを活用すべく、その専門企業への投資も行っています。

求めるのは、小さな変化に気づき「泥臭く」改善できる人材。

会社の発展に必要なのは、やはり人材です。どんな人が向いているかといえば、小さな改善に喜びを感じる人、あるいは小さな変化に気づき、その変化に一喜一憂できる人でしょうか。私たちの仕事は、毎日毎日、ゴールに向かってわずかな変化を拾いあげ、チューンナップしていくイメージです。ホームランを打って、一発逆転があるわけではなく、夢に思いを馳せながら、ほんのわずかな成長を積み上げていく仕事です。「泥臭く」、という言葉ががキーワードかもしれません。

当然ながら人材育成は重要なので、インターンシップから力を入れています。インターンシップの最初の課題は社内ミーティングの「議事録」を書いてもらうことです。人の話を聞いて要旨をまとめ、次に何をするべきかを分析する力が必要となるからです。これは、インプット&アウトプットの訓練になります。企画書などで自分の意見をまとめることは簡単ですが、議事内容を整理し、課題や優先順位を見つけることは、意外と難しいことなんです。

就職はゴールではありません。「成し遂げたいことがある」「人の助けになりたい」など、自分のミッションや大事にしていることが明確な人に将来性を感じます。我々の会社で、その志を一緒に成し遂げられるなら、お互いにハッピーだと思います。

トップ・ダイレクトマーケティング・エージェンシーの実現を目指す。

我々は黒子的な存在として、無形なものにチャレンジしています。どうやったらクライアントのマーケティングパートナーとして長くお付き合いができ、課題を解決していけるかを考えなければなりません。現在100~130社とのお取引がありますが、我々の機能をもっと正確に知ってもらいたいと思っています。

国内外のダイレクトマーケティングの受賞も多数あることから、外資系企業とのお付き合いが増えてきています。また、お付き合いのあるクライアントがグローバル展開に挑戦する機会も増えています。そうしたことから、今後は我々も必然とグローバル化に歩を進めていくことになるでしょう。

最初は小売などの流通業から始まったマーケティング業務でしたが、今は金融関係など、業界幅を広げ、サポートできる範囲と深さを大きくしています。どんな巨大な会社、あるいは優秀な経営者であっても、誰もがよきパートナー、頼りになる伴走者を求めるものです。我々の仕事はコツコツと泥臭く。クライアントの大きな成長のために知恵を集結し、誰もが認めるトップ・ダイレクトマーケティング・エージェンシーの実現を目指していきます。

編集後記

コンサルタント
高岡 幸生

世界流通の激変の時代、人の購買行動はどの企業も重要なマーケティングテーマです。佐々木社長へのインタビューでは、ダイレクトマーケティングという言葉もない時代から理想のビジネスモデルを積み上げてきた「自信」を感じました。その自信は「我々の仕事はコツコツと泥臭く」という言葉に凝縮していると思いました。最新のテクノロジーとビックデータをハンドリングする同社。同社は今後も「黒子的存在」として国外へと自然に活躍の場を広げ、私たちの生活のどこかに常に関わりを持つ会社になるのだと思います。北海道発のダイレクトマーケティング会社が世界中から求められていることに嬉しさを感じた取材となりました。

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