転職成功者インタビュー

三和物流サービス株式会社
中山勇治さん(仮名・店舗マネージャー) 36歳

家族は大事。「地元へ帰りたい」が、いちばんの理由でもいい。

関東で自動車買取業に携わっていた中山勇治さん。地元・札幌に戻りたいという気持ちを抱えながらも、なかなか決断できない時期が長く続いていた。成長をとげる仕事の面白さも理由の1つだったが、いちばんのネックは「Uターンする理由」が自分の中で明確ではなかったということである。

「地元へ帰りたいということが、転職の理由ではいけないのでは?と思っていました。東京で『地元へ帰りたい』というと、『逃げ出す』みたいなイメージが強かったから」。

しかし、父親の病気の知らせをきっかけに、Uターンを決断。地元で親のそばに住む安心感や、わが子と毎日ふれあえるおだやかな生活を手に入れた今、しみじみとこう話す。「地元に帰るのはいいですよ。家族が大事なら、それがいちばんの転職理由になっても良いと思います。」

(※本記事の内容は、2015年4月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
3回
活動期間
エントリーから内定まで30日間

転職前

業種
自動車買取業
職種
店舗開発・運営
業務内容
自動車買取店の店舗開発や運営

転職後

業種
介護用品レンタル
職種
店舗マネージャー
業務内容
車イスや電動ベッドなどの介護用品の提案

キャリアコンサルタントとの面談で「自分は人助けがしたい」と気づく

現在のお仕事はどんな内容ですか?

物流会社の介護用品レンタル事業部で働いています。2店舗展開しており、私は最近できた店舗でマネージャーを任されています。

基本業務は、お客さまの要望や事情にあわせて車イスや電動ベッドといった介護用品を選定し、ご自宅までお届けすること。その他、マネージャーとしては、ケアマネージャーさんに対する提案や、店舗運営のマネージメント全般に取り組んでいます。

入社前のご経歴を教えてください。

大学を卒業した後、厚別のバイク店で販売を3年、東京の渋谷にある輸入バイク専門の会社で、同じく販売を3年半経験しました。その後、札幌の自動車買取の会社へ転職しました。しかし、会社の全国展開に伴って関東に配属。転職する直前は東京・埼玉で、自動車買取店の店舗開発や運営を任されていました。

転職のきっかけは?

「地元の札幌へ戻りたい」という理由で自動車買取の会社に転職したはずが、半年後にまた関東に逆戻りすることになりました。「また札幌に戻れる」という言葉を信じて、関東に行きましたが、そうこうしているうちに会社が分社化されてしまいました。

私は関東の会社所属となりましたが、それでも3~4年は働き続けていました。続けていれば、いつかは戻れるかもしれないという期待を持っていましたから。仕事面では1から店舗開発に携わり、少しずつ店舗が増えて、会社がどんどん拡大していくのを味わえて面白かったです。

そんな時、父にガンが見つかりました。しかも状況はあまり良くありません。知らせを受けた私は妻と話し合い、急いで帰ることに決めました。父に万一のことがあれば、母が1人きりになってしまいます。いま判断しなければならない時だ、と思いました。

転職活動はどのように進めましたか?

まず大手の人材紹介会社に登録してみましたが、「北海道の求人はあまりありません」と言われ、困っていました。そんなときに、妻からリージョナルキャリア北海道のことを聞きました。以前、妻の会社でリージョナルキャリア北海道を介して1名採用したことがあるとのこと。すぐに連絡し、札幌でキャリアコンサルタントの方に面談をしていただきました。

現状や、これまでの経歴をお伝えしていましたが、はじめは、希望の職種について何も考えていませんでした。「とにかく帰りたい」という思いだけ。36歳という年齢もあり、あまり選んでいても仕事が見つからないかもしれないという思いもありました。

しかし、話しているうちに「自分は人助けがしたい」ということに気付きました。私の想いを実現できそうな環境があるということで、今の仕事を紹介していただきました。

介護業界で働くことは考えた事もありませんでした。しかし、「中山さんの想いが叶えられると思うので、応募するかどうかは後で判断するとして、1度先方の話を聞いてみてはいかがでしょうか」との提案を受け、少し気軽な気持ちでお会いすることになりました。そして話を聞くと、「ここで働いてみたい」と思うようになりました。

今の会社に決めたポイントは?

一番は、お会いした専務の人柄です。こんな方と一緒に仕事をしたいと思いました。また、介護関係の仕事は、今後もっと必要になっていきますし、私も挑戦してみたくなりました。専務から、順調に売上があがっていない部門があるという実情は聞いていました。

しかし、「うまくいかない理由がわかれば、対策も打てるだろう」と、むしろ魅力に感じました。だから、あえてなかなか順調に進んでいないという今の部門を選択。自分の力を試したいという気持ちもあったかもしれません。

不安はありませんでしたか?

不安しかありませんでした(笑)。今までは、車やバイクといった嗜好品を売る仕事でしたが、今度は商品の種類も違いますし、対象も高齢者の方ですから。しかしよく考えてみると、今の仕事も「人に喜んでもらえる仕事」という点では同じです。

店舗運営という観点では、前職の経験が活かせますし、異業種の経験を持っているからこそ、違う観点から経営を見ることができると思いました。

実家まで徒歩数分。いつでもすぐに駆けつけられる安心感は大きい

転職していかがでしたか?

まずは先輩についてまわり、「どんな介護用具があるのか、どのように使われているのか」など、1から勉強を始めました。ただ、はじめは耳が不自由な高齢者の方と話したり、亡くなった方のベッドを回収したりと、介護に近いことを初めて体験。「自分にやっていけるかな」と不安な気持ちになりましたが、1ヶ月ほどすると慣れてきてました。お客さまに喜んでもらえるのは、やはりうれしいです。「いつも使っているよ」「助かるよ」という言葉をいただけるのが、私のやりがいです。

一方、店舗マネージャーとしては難しさを感じています。商品の特性上、スタッフの士気が高まれば売上が上がる、というわけではありませんから、難しいですね。広告や料金でなかなか他社との差別化が図れないため、新しい差別化の手段を考えていきたいと思っています。

生活面での変化はいかがですか?

家族と過ごす時間が増えました。3歳の子どもと一緒に寝られるくらいの時間には帰宅できますし、休日も子どもと一緒に遊べます。以前は平日が休みでしたし、たまの休日も、疲れ果てて遊びに行くことはあまりありませんでしたから。

また、実家も近くなりました。歩いていける程度の距離にあり、妻の実家へも車で30~40分で行けます。子どもを連れて帰ると、親も喜んでくれます。

困っていることや課題はありますか?

課題はやはり仕事です。どう売上をのばしていくか。その課題を解決するために採用されたと思っていますから。収入は以前より少し減りましたが、環境は今の方がよいので、後悔はありません。

転職してよかったと思うことは?

いちばんは、親が困ったときにすぐに実家へ行けることです。父が病気になったとき、すぐに行けませんでしたから。また、以前は子どもに会えるのは朝だけだったので、子どもと触れあえる時間が増えたことも嬉しいです。

仕事面でも、難しい事業ではありますが、今から伸びていく分野ですし、自分の力で店舗展開を広げていけるという、楽しみとやりがいを感じています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私はリージョナルキャリア北海道を利用して、とても良かったと思っています。理由は2つ。まず地元の情報をもらえること。地元を離れると、ネットワークが無くなってしまうので、非常に助かりました。そしてもう1つは、「地元に帰る」ということを肯定してくれる人がいることです。

東京にいると「地元に帰りたい」=「逃げる」「甘えている」という空気を感じます。私も、「『地元に帰りたい』ということがいちばんの転職理由だといけないのかな」と思っていたので、帰りにくさもありました。その気持ちをリージョナルキャリア北海道の方が「そうですよね」と、受け入れてくれたのがとても嬉しかったです。

もちろん、仕事のことだけを考えると、東京にいた方が良いのかもしれません。しかし、私にとって大事なのは家族と過ごす時間でした。きっと同じ価値観の方も多くいるのではないでしょうか。

妻からの「まだ戻れないの?」というプレッシャーからも解放され(笑)、長年抱えていた悩みがなくなって、今は落ち着いて仕事に取り組むことができています。地元に帰るのもいいものです。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
高岡 幸生

初めてお会いした時、これまでの人生についてじっくりとお聞きしました。故郷を離れ好きな仕事に打ち込み、黙々と仕事をしてきた。そして闘病生活のお父さま、支えるお母さま、奥さまとお子さんのもとで暮らしたい。仕事の実績を積んでいるがひけらかすことなく、ご家族への心情を率直に語る姿が印象的でした。

仕事がおできになることはすぐにわかりましたし、人格的にも素晴らしい方だと思いました。もともと弊社クライアントに奥さまが勤務されていたのが今回のご縁です。奥さまも優秀な方で、「やはり、できる方はできる方と一緒になる」のだと納得しました。入社後も事業に邁進され、経営からの信頼も厚い中山さん。さらなるご活躍を祈念します。

転職成功者インタビュー一覧

ページトップへ戻る