株式会社北海道銀行
永野由美さん(仮名・システムエンジニア) 36歳
早いタイミングでの決断が奏功。二度目の転職で自分らしく働ける職場に巡り合い、北海道ライフがますます楽しくなった!
神奈川県出身の永野さん。東京にあるメガバンクのシステム子会社に新卒で入社し、SEとして活躍していたが、35歳の時に夢だった北海道への移住を実現させた。
ところが、移住直後に転職した企業では、「担当業務と自分のスキルが合わなかった」という。「より自分らしく活躍できる会社で、さらなるステップアップを目指したい」と、早いタイミングで再チャレンジを決断した。
システム開発の上流工程で実力を磨いてきたキャリアは需要が高く、大手の転職エージェントに相談すると、全国大手企業の求人をいくつも紹介された。だが永野さんが選択したのは、リージョナルキャリア北海道が提案した地方銀行だった。
「安心して働ける環境、自分のキャリアが活かせる業種を選んだ」と振り返る永野さんに、転職先を選ぶ際のポイントや、その後の生活などを伺った。
※本記事の内容は、2022年2月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで54日間
転職前
- 業種
- ソフトウェア開発
- 職種
- システムエンジニア
- 業務内容
- スマホ決済システムのシステム開発を担当。
転職後
- 業種
- 金融
- 職種
- システムエンジニア
- 業務内容
- 勘定系システムおよび行内サブシステムのシステム開発を担当。(AMLシステム、法人向け帳票電子交付システム等)
念願だった北海道への移住。更なるステップアップを目指して、二度目の転職を決意。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
北海道銀行のシステム統括部で働いています。部内には複数のグループがあり、私はシステム開発を手掛けるグループに所属し、勘定系システムや行内サブシステムの開発・保守を担当しています。
といっても、私自身がプログラミングをすることは基本的にはありません。行内のさまざまな部署から相談が来ますので、それらを整理・検討し、業務要件やシステム要件を取りまとめて、外部のベンダーに発注するという上流工程の仕事をしています。
入社前のご経歴を教えてください。
出身は神奈川県です。東京の大学を卒業した後、メガバンクのシステム子会社に就職し、SEとして13年間働きました。具体的には、銀行やグループ各社(保証会社、債権回収、カード等)のシステム開発・保守を担当していました。その後、35歳のときに北海道にIターンで移住し、決済関連の企業でSEとして働いていました。
転職のきっかけは?
北海道で暮らしてみたかった、というのが最初の転職のきっかけです。両親が札幌出身で北海道に親戚も多く、子どもの頃から何度も訪れていたので、いつか移住したいと思っていました。東京の暑さが苦手だったこともあり、北海道の居心地が本当によくて。景色もきれいだし、食べ物もおいしいし、北海道で暮らすのが夢だったんです。
当初は漠然と考えていたのですが、35歳を超えてしまうと採用要件が厳しくなり、転職先が限定されるかもしれないと思ったため、「これが最後のチャンスだ」と、北海道の企業への転職を決断しました。
ところが、入社して数ヵ月が経過すると、業務内容が自分のスキルとマッチしていないのではと感じるようになりました。それでも最初の半年間は、「入ったばかりだし、こんなものかな」と思っていたのですが1年たって、違和感がどんどん大きくなりました。自分らしく活躍できる会社でやりがいを感じたいと思い、働きながら転職先を探し始めることにしました。
転職活動はどのように進めましたか?
最初は大手の転職エージェントに登録しました。その会社の紹介で4社受けましたが、並行して、リージョナルキャリア北海道からも連絡がきたんです。
経歴や希望をお伝えし、私に合うであろう求人を見せていただくと、大手のエージェントには無かった会社があり、がぜん興味がわきました。中でも目に留まったのが北海道銀行。条件も希望通りだったので、「ここを受けたい!」とピンポイントでお願いしたんです。
今の会社に決めたポイントは?
一言でいえば、安心感でしょうか。面接も堅苦しくなくアットホームな雰囲気でしたし、最初の会社と同じ金融業界ということで、自分の能力を最大限発揮できるのではないかと感じました。東京時代、ずっと金融に関する仕事をしていたので、なじみがあったんですよね。これまでの経験が活かせると思いましたし、仕事の内容や進め方のイメージがつかめているという安心感もありました。しかも、「システム部門が高齢化しており、世代交代が課題」という話を聞いて、30代後半からでも役に立てるのではと感じました。
他にも、良い条件を提示してくださった会社はあったのですが、今回は自分の直感を信じて、安心して働ける環境、自分のキャリアが活かせる業種を選びました。
人間関係が良く、自分の長所を発揮できるようになった。
転職していかがですか?
最初の頃は、社内ルールや銀行業務、開発手順など、学ぶべきことが多くて大変でした。同じ業界とはいえ、銀行ごとに取り扱う商品の範囲が違いますし、北海道銀行は他行と共同の勘定系システムを採用しているので、開発の進め方には独自のルールがありました。
半年ほど経つと徐々に慣れてきて、入社前のイメージ通りに進められることが増えてきました。いろんな部署の人と関わりながら働けるので、日々刺激があってとても楽しいです。周りとコミュニケーションをとりながら仕事をするのが得意なので、自分の長所を活かせていると思います。職場の同僚も、良い人ばかり。システム統括部は年齢が高めなので、私の年齢でも「若手」と呼ばれて、かわいがられています。
転職して良かったと思うことは?
職場の人間関係が良く働きやすくなったことと、自分が関われる範囲が広がったことです。
メガバンクの仕事をしていた頃は、開発規模が大きいこともあり、案件やシステムに特化した仕事になりがちでした。今は複数のシステムを担当しているので大変な面もありますが、いくつも案件を並行しながら自分の工夫次第で仕事をやりやすくできるという、そういう楽しさがありますね。日々違った課題が出てくるので、自分の経験値がどんどん増えていくのを感じます。
また北海道が好きで移住してきましたので、地域に貢献できる実感を持てるようになったことも、嬉しいポイントの一つです。
困っていることや課題はありますか?
仕事の進め方については、東京で働いていた頃とのギャップを感じたこともあります。例えば、デジタル化に関する課題。社内業務でアナログな部分が残っているので、改善できる部分はあると思っています。また、今後はITに特化したデジタル人材も銀行にとっては貴重な存在ですので、IT技術者の評価も今後の課題だと思います。
生活面の変化はありましたか?
転職して半年後に、中古の一戸建てを購入しました。それまでは賃貸マンション。親と一緒に暮らすようになったので広い住まいが欲しかったし、家賃を払い続けるのももったいなかったので、思い切って購入したんです。すごくきれいにリフォームされていて、とても気に入っています。
通勤時間はバスと地下鉄で30~40分ほどですが、健康維持のために自宅から二つ先の駅まで30分以上歩くこともあります。
最初の会社と比べると、残業もかなり減りました。行内のシステムを開発しているので、比較的余裕を持ったスケジュールで進められる案件が多く、ある程度自分たちで仕事をコントロールしやすいからだと思います。
北海道の魅力は?
自然がすごく身近にあります。朝、通勤途中のサイクリングロード沿いでエゾリスに出会ったりするんですよ。広い公園もたくさんありますし、食べ物もおいしいですし、4年近く住んでいても全然飽きないですね。
雪かきは大変ですが、雪が好きなので寒いのは平気です。北海道は家の中がすごく暖かいんですよ。札幌にいたら不便さは全く感じません。
それに北海道はイベントやお祭りもたくさんあります。大通公園のビアガーデン、地方で開催される日本酒や海産物のお祭りなど、休日の楽しみの豊富さも北海道の魅力だと思います。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
焦らないことが重要かなと思います。最初の転職は、遠隔(東京・札幌間)での活動だったこともあり、面接を受けられる会社が限られていたため、自分のスキルとのマッチングに関する見極めが十分にできていなかったと思います。可能であれば、入社前に職場を見学して、実際に働く人たちと会話をさせてもらえるといいですね。社内の人間関係やコミュニケーションのとり方等もチェックして、自分に合う環境かどうかを確認するのがいいと思います。
自分の中の優先順位が明確になっているのであれば、東京から地方への転職で収入が下がることは気にしなくてよいと思います。自分にとって理想の暮らしを実現するためなら、チャレンジする価値はあると思いますし、積み上げてきた経験やスキルがあれば、年齢を問わず認めてくれる企業はたくさんあると思います。