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税務会計を軸に各種コンサルまで提供。地元企業を支え、地域に寄与。

税理士法人 池脇会計事務所
所長 池脇 竜太

更新日:2023年3月08日

1978年生まれ。一橋大学商学部の学生時代、簿記一級を取得するとともに、会計士の資格試験に合格。卒業後、新日本有限責任監査法人等を経て、2005年、池脇会計事務所に入所。会計士の資格を活かし、上場企業案件を担当するなど、経験を積む。2017年、所長に就任。公認会計士、税理士、行政書士。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

父の仕事ぶりに感化され、早くから会計士の道を志向。

私が小さい頃、父はよく、会計事務所の仕事の楽しさについて話してくれました。地元のお客様にサービスを提供することで、地域社会の経済発展の一端を担っているといった話を聞いて育ったおかげか、私は早くから会計士になりたいと意思を固めていました。

大学に進むと共に簿記学校にも通い始め、簿記検定一級を取得。その後、大学2年の頃に税理士試験に挑戦。並行する形で、3年生で会計士を受験。結果的には先に会計士の資格を取得しました。

会計士を取ると、税理士としても登録できます。ですからたいていの人は、会計士を取ったら税理士は取りません。しかし、私は税務知識をしっかりつけておいた方がいいと考え、会計士試験合格後も税理士の勉強を続けました。現在、税に関して詳しい話ができるのは、この時の勉強の賜物です。

大卒後、監査法人へ就職。監査法人は、顧客企業の財務諸表が適正かどうか、公正にチェックするのが主な役割です。そのためお客様とは、指導的立場で向き合うことが多くなります。

私はお客様のパートナーとしてサービスを提供したいと考え、26歳で地元に戻り、父の経営する池脇会計事務所に入所。若手の一人として、下積みから始めました。その後、キャリアに応じて仕事の幅を広げ、2017年、所長に就任しました。

事業承継、M&A、医療、保険・不動産など多様な課題をサポート。

現在、所員は95名。顧客数は1200件程度になります。実は従業員数も顧客数も、昭和の終わり頃から30年以上にわたり、あまり変えないようにしています。無理に顧客数を拡大させるのではなく、一人ひとりのお客様に提供するサービスの質を上げたいのです。

もちろん、諸事情で顧問契約が終了となるお客様もおられますが、それと同数くらいの、経営意欲が高いお客様と新たな取引を始め、顧客数を維持してきました。付き合いが深くなるごとに効率性も上がり、増収増益につながりました。

当所は、会計チームは税務・会計を、社労士チームは労務をコアにしながら、お客様の抱える様々な課題に応える体制をとっています。ですから、事業承継・相続の相談にも乗りますし、M&Aや事業再編のお手伝いもします。保険や不動産の課題にも応えますし、医療・福祉業界に向けたサービスも提供しています。

ある年は事業承継案件が多かった、次の年は保険・不動産の相談が多かった、など事業のトレンドは常に変わるものです。しかし、当所は時代の流れに左右されず、お客様の悩みに対応できるのです。こうした多角的なサービスも、お客様との信頼関係を形成するのに役立っています。

全所員が様々な相談に一通り対応できるから、話が早い。

多角的サービスを実現するため配慮している点が二つあります。その一つは「専任担当者を作らない」こと。通常の会計事務所では、事業承継、M&Aなど領域に分けた専任の担当者を置く場合が多いようです。しかし、当所では敢えてそうせず、全所員が税務会計をベースに、プラスして二つの業務をできるくらいの配分を行っています。

中小企業の経営者からすると、担当者がいちいち変わるより、一通りのことを何でも応えられる総合ドクターのような人材が、話が早くて助かります。また所員にとっても、一つのことだけに精通していても、その領域の相談が毎年豊富にあるとは限りません。複数分野の知識を持つ方が、長く会計事務所で活躍できるはずです。

もう一つは、コンサルティングに力を入れている、という点です。当所では、事業承継、医業経営、行政事務、人事・労務、資産保全、事業再編などの領域でコンサルを提供しています。しかしこれも手当たり次第というわけではなく、自分たちが所内で実際に体験したことをベースに、コンサルを行うのです。

当所では所内の様々な課題を解決するにあたり、組織横断型の委員会を組んで対処します。例えば、人材採用に関しては、所内に人材育成委員会があり、ここで方針を話し合って実践します。

その経験を基に得た知見を「こういう取り組みはうまくいきました」と、お客様に提供するのです。同様に、営業管理、不動産管理、車両管理などいろんな委員会が動いていますので、それぞれの知見をお客様に提供できます。

理論だけでなく実体験から得た知識なので、説得力が違います。そしてお客様の様々な事案を体験することで、私たちのコンサルとしての引き出しが増えていくのです。

先読行動、超速対応が、経営者からの信頼を育む。

当所のオフィスではグループが2週間に1回、座るデスクを移動するフリーアドレスを実施しています。当所には会計系、社労士系で合計10ぐらいのグループがあるのですが、「今週Aグループは赤の座席で」という具合にローテーションするのです。

いろんな所員と顔を合わせるので、コミュニケーションが生まれやすくなります。こうした環境が、仕事のやりやすさにつながっているのかもしれません。

所員によく言うのは、「自立した大人になってほしい」ということです。自立した大人は、相手の考えを先読みして行動できます。これはお客様だけでなく、所員に対しても同様です。先読みできれば、お互いが気持ちよく働けるし、いい影響を与え合えるでしょう。

私が父から経営を引き継いだ時、池脇会計事務所の良さを改めて見つめようと「真・池脇品質を考えるプロジェクト」を立ち上げました。そこで出てきた項目の中に「先読行動」「超速対応」があります。先読行動は今述べた通り。「超速対応」とは、例えばメールをもらったらその日のうちに返事を返す、といったことです。

経営者はどの方もスピードを大事にされるので、手つかずで放っておくのが一番よくありません。お客様を大事に思うなら、超速対応や先読行動は当たり前のようにできるはずです。

先読行動ができると、お客様は所員と会うのを楽しみにしてくれるようになります。「今日の面談で、池脇会計の○○さんはどんな情報を持ってきてくれるのだろう」という具合に。私は所員にそういう人材になってほしいと考えています。

システム化にいっそう注力。得た知見は中小企業に還元。

今後はシステム化にさらに注力したいと思います。既に所内のシステム化が進んでおり、クラウド型サービスを活用して業務データや人事データを処理しています。

またRPAを導入しており、ロボットによる作業の効率化も進んでいます。このノウハウを、お客様にも展開する予定です。中小企業のIT化・DX化推進は、会計事務所の役割の一つだと考えています。

経営改善、資産税業務、株式公開、M&A、事業承継といった案件は、この先増えていくでしょう。また当所の得意分野でもある医療・介護・福祉業界についても、いっそう力を入れなければなりません。北海道という地域を考えると、農業も重要な分野です。就労人口の減少による大規模化・農業統合の波が本格化する中、地域の主要産業でもある農業に貢献していきたいですね。

会うと学びがあり、元気が出る。そんな人材に期待したい。

私は転職志望者に会う際、「当所のお客様はどんな人材を望むだろう」という観点を大事にしています。お願いしたことにきちんと反応してくれる、約束の時間を守るといったことは当たり前。加えて勉強熱心で、その人と話していると自分にも学びがある。お客様が望むのは、そういう人です。

そして、元気をくれる人でしょうね。「○○さんと会うと、やる気が出てくる」と感じられる人。どの要因が元気を引き出すのか明確ではありませんが、一つには視野の広さであり、もう一つは何でも吸収しようという意欲ではないでしょうか。

当所の委員会やプロジェクトでは、リーダーは必ずしも管理職とは限りません。これらの経験からリーダーシップが生まれ、管理職候補として頭角を表す者もいます。私もそういった人材を積極的に登用するようにしています。

また報酬も、頑張った人には適正に還元するのが当所の方針。中途だからといって、待遇や昇進に差をつけることはありません。今よりステップアップしたい、いろんな業務・領域を経験してみたい。そんな意欲のある方をお待ちします。

編集後記

コンサルタント
宮崎 美晴

池脇所長のインタビューを通じて大変印象深かったのは、事業の全てをお客様視点から考え、実践に繋げられていることでした。例えば、一人ひとりのお客様に提供するサービスの質を上げるため、池脇会計事務所は意図して従業員数も顧客数もあまり変えないようにしています。

また、お客様が望む人材から考えると、多角的なニーズに応えられる総合ドクターのような人材が必要です。それを実現するために、従業員の皆さんのやりがいとモチベーションを考えながら、複数分野の知識を持つように育ち、部署横断のプロジェクトを通じてリーダーシップを養うことにも注力しています。

お客様にとっての真のパートナーとして多角的なサービスを提供したい方なら、常に成長を感じ、長く活躍できる環境だと思います。

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