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確かな施工力で信頼を積み重ね、 地域の潤いあるまちづくりに貢献。

中井聖建設株式会社
代表取締役社長 中井 靖

更新日:2022年11月16日

1966年生まれ。大学を卒業後、建設会社勤務を経て、1996年、中井聖建設に入社し、取締役営業部長として営業を担当する。2008年、代表取締役社長に就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

五輪の「聖火」のように、輝きを失わない会社に。

中井聖建設の創業は1965年。私の父・中井次(やとる)は、前年に行われた東京五輪で、明るく燃える聖火に強い印象を受けました。そして、「あの火のように清らかな姿勢で仕事に向き合いたい、いつまでも輝きを失わずにいたい」という思いで、社名に「聖」の名を入れたのです。

受注第一号は、ある会社の工場でした。その後、各種施設や住宅へとフィールドを広げていきます。高度経済成長期という時代の後押しもあり、業績は順調でした。しかし12年後、中井次は病で急逝。その後は私の母が事業を継ぎました。苦しい時期もありながら何とか乗り越え、2015年には創業50周年を迎えることができました。

余談ながら、50年前の受注第一号だった工場を建て替えることになった際、またも当社に発注をいただきました。50年経過しても変わらずご愛顧いただけるというのは、建築屋冥利につきる話です。

私が中井聖建設に入社したのは1996年。大学を卒業して地場ゼネコンに入社し、5年間勤務した後のことです。当初、私には変な自信がありました。地場の優良ゼネコンでもまずまずやってきたし、子どもの頃から会社に出入りしていた私にとって、周りは知っている人ばかり。自分の言うことはみんな聞いてくれる、と勘違いしていたのです。

しかし、それは思い上がりであったことが、すぐに実証されます。営業部長の肩書で入社したのに、売れない。お客さまと会っても注文一つ取れない。管理職なのに、部下に的確な指示の一つもできない。

実は自分は何もできないのだということに、そこで気付かされました。その時はショックでしたが、今となってはそれが良かったと思います。勘違いしたまま偉ぶるなんて、目も当てられないですから。それからは営業と現場を学び直すつもりで、一生懸命やり直しました。

2008年、母の後を継いで社長に就任しました。私を甘やかすことなく、決して見放さずにいてくれた、ベテランをはじめとする社員みんなのおかげです。

施工力の高さに信頼を寄せるお客さまからの紹介・リピートが多い。

現在、当社では鉄筋コンクリート造や鉄骨造のオフィス・工場・倉庫・商業施設や木造の注文住宅、集合住宅の設計・施工を中心に事業展開しています。

特徴としては、デザイン性の高い建築をこなす技術力がある、という点でしょうか。こうした建築は、構造・設備設計や施工に手間がかかりがちです。そんな中で依頼をいただけるのは、当社の技術に対し信頼を寄せてくれているからではないかと思います。

また、デザイン性が要求される建築に携わることは、当社の社員にとってもステップアップの機会になります。建材一つひとつにとてもこだわりがあり、作り込みにも時間がかかる。そのプロセスを踏むことで、多くの学びが得られるのです。ですから、依頼があれば、積極的に取り組むようにしています。

もう一つ。受注第一号の工場の例でも分かるように、「お客さまからの紹介やリピートが多い」というのも、当社の特徴です。50年以上にわたる歴史の中で、私たちは、お客さまの「声にならない要望」にまで耳を傾け、住まいや設備に反映することを心がけてきました。

その積み重ねが評価につながり、「次の現場も任せたい」「知り合いを紹介したい」というご指名につながっているようです。確かな施工力が、お客さまからリピートをいただける原動力になっているのです。

中井聖建設の高品質な施工力を支えてくれているのが、現場で活躍する協力会社や職人さんたちです。彼らの熱意を損なわず、技術を最大限に発揮してもらうためにも、いろいろ配慮しています。建設会社と現場の職人さんは対等のパートナーです。高品質の建設を実現するために力を結集するのは当然ですし、結集しやすいよう環境を整えるのは、私たちの務めです。

地域と仲間から「選ばれる」会社となり、厳しい時代を乗り越える。

今日は建設業全体が厳しい岐路に立っています。少子高齢化の影響が、「職人不足」という問題となって噴出しているのです。

予算や納期が厳しくとも、協力し合える仲間がいれば、前に進んでいくことができます。実際、当社はいくつもの困難を、仲間とともに「一緒にがんばろう」と励まし合って克服してきました。しかし、職人さんがいなければ、高品質の建築は実現できなくなります。

ただ一つ、社会から建設ニーズがなくなることはなく、また、職人さんがゼロになることもありません。とすると、重要なのは、お客さまと協力会社の信頼を裏切らないことではないか、と思います。

中井聖建設は、理念の冒頭に「お客さまに心より喜んでいただける建築物と真心のこもったサービスをご提供いたします」という言葉を掲げています。この理念に、とことんまでこだわる。その理念に共鳴してくれる社員と、協力パートナーの人々を大事にする。

それによって信頼を築き、「中井聖建設にお願いしたい」「中井聖建設と仕事がしたい」と思ってくれる人を一人でも増やすことが大事ではないでしょうか。そうやって、厳しい時代を歩んでいきたいと考えています。

また、今までと変わらず、北海道という地域を大切にしたいとも思います。建物を建てる時、音を立てたりほこりが舞ったりして近隣住民に迷惑をおかけすることもあります。だからこそ、余計に地域の声に敏感になり、潤いのあるまちをつくっていこう、という姿勢が欠かせません。

建設を通じ、地域のまちづくりの一端を担う。それもまた、中井聖建設が果たすべき役割の一つです。

プロ意識を持って仕事に向き合う人々の意欲に応えたい。

私は、社員によく「いいものを建てよう」と声をかけます。簡単なフレーズですが、結局建築屋にとっては、これこそが究極の目標だと思うのです。

建設の現場に楽なものは一つもなく、そこに関わる者は、日々いろいろなことに頭を使いながら過ごしています。営業も設計も施工管理も職人さんも、暑い日も寒い日も、必死でがんばっています。なぜがんばれるのか、その原動力は、やっぱり「いいものを建てたい」からです。

忙しくなると、一つひとつの細かなことを疎かに扱ってしまいがちになる。そこで品質を決めるのは、「いいものを建てたい」という思いが根っこにあるかどうか。それがあれば、クオリティーを落とさず、壁を乗り越えられます。

いいものを建てるために、難易度の高い課題にも涼しい顔でチャレンジしていける。ものづくりに関しては誰にも負けないという自負を持ち、落ち着いた表情でそれを実践してみせる。どれだけ忙しくても、決して手は抜かない。そんな高いプロ意識を持った人と仕事がしたいと思います。もちろん私自身も、常にそうありたいですね。

プロ意識を持って仕事に向かう人の意欲に応えられるような環境の整備も必要です。待遇面ももちろんですが、良い仕事に報いるのに一番なのは、さらに成長できるステージを用意することでしょう。

より多くのお客さまにご満足いただける仕事にチャレンジする機会を提供する。それによってよりレベルアップを図ってもらえば、結果として当社を発展させる力にもなるでしょう。

お客さまに心から喜ばれ、地域を潤す。そんな建設を一緒に進めましょう。

編集後記

チーフコンサルタント
千葉 悠樹

「理念にとことんまでこだわる」という中井社長の言葉からは、経営者としての凄みを感じます。この理念が社員にも深く浸透しているということは、紹介とリピートのお客さまが多いということからもわかります。

「いいものを建てたい」という共通言語が全員の根っこにあり、社長も社員も、企業としても、常に成長を志向する姿勢はまさにプロ集団。

「お客さまに心から喜ばれ、地域を潤す」ことに本気で向き合う同社のさらなる成長が、今後も楽しみです。

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