株式会社北の達人コーポレーション
太田裕美さん(商品開発) 29歳
長く愛されるものづくり。一人ひとりを大事にする風土。地元で見つけた、理想の職場環境。
札幌出身の太田さんは東京の大学を卒業し、そのまま東京で働き続けていたが、27歳のときにUターンを決意した。きっかけは東京での仕事に漠然とした物足りなさを感じていたことだった。
東京では、全国的にも有名なインテリア商品の小売企業で、商品開発を任されていた。新しい商品を作り、世に送り出す仕事は楽しかったが、インテリアの世界は商品が目まぐるしく変わっていく。どんなに想いをこめて作り上げた商品も、すぐに入れ替わり、「早く次の商品を」と、急かされる。
そんな現状を変えるため、動き出した先に思いがけない出会いが待っていた――地元での暮らしと理想の仕事を同時に手に入れた太田さんのUターン体験談を紹介する。
※本記事の内容は、2018年4月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで340日間
転職前
- 業種
- 専門商社(インテリア商品)
- 職種
- 商品開発
- 業務内容
- 主に自社ブランドで開発・販売するインテリア雑貨やファブリック製品の商品企画および生産管理
転職後
- 業種
- 食料品メーカー(機能性食品、化粧品等)
- 職種
- 商品開発
- 業務内容
- 主に自社ブランドで開発・販売する機能性食品、サプリメント、化粧品等の商品企画
東京でのU・Iターン転職相談会を知り、「このチャンスを逃してはいけない!」と直感。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
自社ブランドの健康食品やサプリメント、化粧品などを開発し、インターネットで通信販売している北の達人コーポレーションで商品企画を担当しています。
当社のこだわりは、ニッチなターゲットに向けた商品開発。ターゲットとする訴求に対し、効果があるとされる成分の情報を、原料メーカーなどから取り寄せることから、私の仕事は始まります。
そして原料を選定し、製造委託先を検討。さらには試作、外部モニタリングの実施、容器の検討、商品パッケージの企画まで、幅広く担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
東京の大学を卒業後、インテリア商品の専門商社に就職しました。インテリア雑貨やファブリック製品を中心とした、商品企画・生産管理を2年ほど経験した後、取引先だった小売企業へ転職。同じくインテリア雑貨やフレグランスの商品企画・生産管理に、2年間携わっていました。
転職のきっかけは?
もともと自分で商品を作って、世の中に送り出す仕事が好きだったんです。でも前職では、いくら頑張って商品を作っても、すぐに新しいモノに切り替わってしまいました。だから、「もっと長いスパンで愛される商品を作りたい」と思うようになったんです。
1年ほど悩んでいましたが、30歳を過ぎたら転職するのも難しくなるのではないかと思い、「なるべく早く行動しよう」と思い、動き始めました。
転職活動はどのように進めましたか?
まずは大手転職サイトに登録しました。仕事は、2つの軸で探していました。それまで取り組んできたインテリア系の仕事と、大学時代に学んだ英語を活かした、海外との橋渡しができる仕事です。
ですが、北海道の勤務で転勤がない会社となると、なかなか見つかりませんでした。半年ほどそのままの状況が続きましたが、あるとき偶然、リージョナルキャリア北海道が東京でU・Iターン相談会を開催するというネット記事を見つけました。
仕事をしていると、北海道にはなかなか行くことができません。相談会の参加対象は「社会人歴10年以上の方」となっており、私はその条件を満たしていなかったのですが、「このチャンスを逃してはいけない!」と思い、無理を言って参加させてもらいました。
相談会は、コンサルタントとのマンツーマンでの面談でしたが、「豊富な情報を持っている!」と感じました。北海道にどんな企業があり、どんな人材を募集しているのか、その会社にはこんな課長がいるなど、どこにも出ていないような細かい情報が次々に出てくるので驚きました。
大手の転職エージェントと話すより、自分が望む転職ができる可能性が高いと思いましたね。それから半年の間に4~5社を紹介してもらい、その中に今の会社がありました。
今の会社に決めたポイントは?
生み出す商品のジャンルは違えども、海外から良い商品を引っ張ってきたり、生産できる工場を探すなど、これまでの経験が存分に活かせる仕事だと思ったことです。
また、商品を簡単に廃版にせず、一生使い続けてもらえる商品開発を目指す、という理念にも共感しました。この会社なら、「長く愛される商品を作りたい」という私の思いを実現することができそうだと思いました。
もちろん、商品のジャンルが違うことには不安もありましたが、面接で開発に対する姿勢を聞くことができ、その不安は解消されました。
心から納得して働ける環境と出会うために、自分から動くことが大事。
転職していかがですか?
北海道の会社というと「のんびりしている」という勝手なイメージがあったんですが、まったくそんなことはありませんでした。常にスピード感を持って仕事をしていますし、一人ひとりが担当の範囲でしっかりとした専門知識を持っていることにも感心しました。
それでいて社内の雰囲気は和気あいあいとしていて、とても働きやすいです。入社後はすぐにテーマを与えられ、商品開発を任されたので戸惑いましたが(笑)、逆にやりがいにつながりました。
商品化までにかける時間も、前職とは違います。この会社では、商品の構想から完成まで約1年かけますが、前の会社はその半分以下。最初は「こんなに時間をかけるの?」と驚きましたが、作る商品が口に入れるものだったり、肌に直接つけるものだったりするので、何度も試験を繰り返して、時間をかけて作るのが当たり前なんですね。
転職して良かったと思うことは?
今の会社は、社歴や職歴に関係なく、一人ひとりの声や個性を大事にしてくれる会社です。「海外の展示会に行きたい」と私が提案をした際も、「いいじゃない、行ってみたら?」と言ってもらえるなど、新しいことをどんどん取り込める風土もあります。
自分が思い描いていたような仕事を、自分で作ることができているので、入社してとても良かったと思っています。
待遇面も、この会社は1人1人の働きに応じて評価してもらえるので、やりがいにつながっています。
生活面の変化はありましたか?
思っていたほど生活は変わりませんでしたね。通勤時間も同じくらいですし。変わったことと言えば、海外出張の頻度が減ったことと、実家に帰る回数が増えたことでしょうか。趣味のダンスは、札幌にUターンしてからもずっと続けています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職支援会社の規模にとらわれず、いろいろな人の話を聞くことをおすすめしたいです。そうすれば、自分が見つけ出したかった要素が聞けることもありますから。
また、単純にスカウトメールを待つだけの「受け身」になるのではなく、自分から動くことが大事ではないでしょうか。私も今回、リージョナルキャリア北海道のコンサルタントに無理を言って相談会に参加させてもらうなど、自分から行動を起こしたからこそ、今があると感じています。
人生で、会社で過ごす時間は長いですよね。だからこそ自分から動き、心から納得して働ける場所を探したほうがいいと、私自身、今回の転職で実感しました。