転職成功者インタビュー

STV興発株式会社
鈴木貴弘さん(仮名・建築士) 37歳

転職してマイホームを実現。自分のスキルをもっと活かせる場所は、意外と身近にある。

鈴木貴弘さんは建築関係の専門学校を卒業後、札幌市内の設計事務所に就職。さまざまな建物の設計を手がけ、やりがいも感じていたが、年齢を重ねるうちに気になってきたのが、収入のこと。同世代と比べてかなり低い状況が続いていたのだ。会社に相談しても状況は変わらず、将来への不安を感じていた鈴木さんは、結婚を機に転職活動を開始。

新天地となった住宅会社は、職種はこれまでと同じ設計だが、収入は大きくアップ。転職3年目には、念願のマイホームも建てることができた。「転職しなかったら、家なんて持てなかったと思います。自分のスキルや資格を活かせる場所は、意外と身近にあるんだなと実感しました」と話す鈴木さんの体験談を紹介する。

(※本記事の内容は、2018年11月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで約1年

転職前

業種
建築
職種
建築士
業務内容
主に福祉施設や保育園を中心とした幅広い分野の意匠設計を11年間担当。基本設計、実施設計、工事監理まで一貫して手掛ける。

転職後

業種
建築
職種
建築士
業務内容
注文住宅のプランニング・設計と見積り、モデルハウス等での営業

「給与」と「やりがい」、ふたつの希望を実現

現在のお仕事はどんな内容ですか?

札幌に本社がある「STV興発」という会社で働いています。地方テレビ局、札幌テレビ放送(STV)のグループ会社で、ビル管理や人材派遣など幅広い事業を展開しているのですが、私が働いているのは住宅部門。「ハウジング部」で、住宅設計と営業を担当しています。

モデルハウスでの接客やヒアリング、設計、施工時のアドバイス、お引き渡しまで、すべての窓口となって家づくりのお世話をしていく仕事です。当社は完全注文住宅で、手作り感を大事にしているので、最低でも半年の時間と手間をかけて、1軒の住宅を作り上げています。

入社前のご経歴を教えてください。

専門学校卒業以来、ずっと札幌の設計事務所で働いていました。数人でやっている小さな設計事務所でしたが、元請けでしたので、高速道路の施設、福祉施設、工場、ビルの改修など、いろいろな分野の設計を経験できました。構造的にも木造、鉄筋などなんでもやっていたので、幅広いスキルを身につけることができました。

転職したきっかけは?

ひとことでいうと、給料が低かったんです。33歳で転職しましたが、その時点でおそらく200万円以上、同級生たちと年収が違っていたと思います。20代の頃は一人前になるために必死で、収入のことは気にならなかったのですが、ある程度経験を積んで、周りが見えるようになってくると、「この給料で将来やっていけるのか?」と不安になってきました。

社長に相談したところ、「資格をとるまで我慢しなさい」といわれたので、29歳のときには一級建築士の資格も取りました。ところが、それでも状況は変わらない。それで、32歳で結婚したのを機に転職活動を始めることにしました。

転職にあたってもう1つ、「エンドユーザーの顔が見える仕事がしたい」という気持ちもありました。当時のクライアントは自治体などの施主だけ。建物を実際に使う人たちの声が聞こえないことに、物足りなさを感じていたんです。

転職活動はどのように活動を進めましたか?

最初は大手の転職サイトに登録して、求人情報を探していました。希望の勤務地は、札幌。今度はエンドユーザーと直接触れあえる仕事がしたいと思っていたので、職種は住宅設計を希望していました。

最初は、全国大手の住宅会社に応募。面接試験も通り、内定をもらえたのですが、配属先は非住宅部門、しかも東京本社勤務・・・。妻に相談すると「東京で生活するイメージがわかない」と反対され、結局お断りすることにしました。

その間に、転職サイト内で「リージョナルキャリア北海道」からメールが届いていました。インターネットで調べてみると、地域密着型の転職コンサルティング会社とのこと。建築会社に強いとも書かれていて、それにひかれて登録しました。その後、何社か求人を紹介してもらい、その中に今の会社があったんです。

今の会社に決めたポイントは?

初めて聞いた会社だったので、どんな家を作っているのか気になって、お客さんのふりをして住宅展示場を見に行ったんですよ(笑)。そのときに、建物の作りがしっかりしていて、デザインにも自由度があり、面白い仕事ができそうだなと感じました。

しかも、設計だけでなく、営業も担当できることが魅力でした。また、前の会社のことがあったので給料面も気になっていましたが、親会社がテレビ局ということもあり、待遇面や経営もしっかりしていて、安心感がありました。

マイホームだけでなく、家族としっかりふれあえる時間もゲット

転職していかがですか?

1人で最初から最後までお世話をしながら、お客さまと一緒に家を作っていくので、非常にやりがいがあります。もちろん、その分しなければならないことが多く、慣れるまでは大変でした。

また、同じ住宅であっても、お客さまによって求められるものが違うので、設計スキル以上に、お客さまの要望をいかに引き出せるかというコミュニケーション能力が大切。難しいお客さんもいらっしゃいますし、以前よりも密度の濃い打ち合わせが必要だなと感じています。

それでも、やはり住宅設計は楽しいです。特に当社は自由設計なので、お客さまの要望を拾い上げながら、自分の目指している設計もできますから。

生活面の変化はありましたか?

子どもが生まれたのを機に、自分の家を建てました。もちろん自分で設計しましたし、費用面でも社員ならではの特典を受けることができて、ラッキーでした(笑)。のびのびと過ごせますし、家庭菜園やバーベキューなど、賃貸住宅のときよりも、できることが増えましたね。

転職してから家に帰る時間も早くなりました。以前は毎日夜中まで仕事をし、日付が変わる頃に帰宅。食事も、コンビニ弁当やカップラーメンで済ませることが多かったんです。でも、今は20時ごろには帰宅できるので、家族と一緒に夕食を食べることができます。

休みも、以前は2、3か月休みがない・・・という感じでしたが、今は週休2日でしっかり休めるので、子どもとの時間も楽しめています。

困ったことや課題はありますか?

お客さまと直接仕事をするぶん、責任が大きく、プレッシャーはあります。お客さまは、みなさん私を頼りにしてくださっているので、幅広い知識も求められます。

例えば、住宅ローンの制度などの勉強もかなり必要でした。また、住宅会社は競合が多く、比較のされ方もシビアです。これから人口が減っていく中で、他社といかに差別化するか、いかに生き残っていくかが課題だと思っています。

転職してよかったと思うことは?

生活は格段によくなりました。この会社に転職していなかったら、きっと自宅も建てられなかったと思います。仕事の面では、エンドユーザーの顔が見えるのは、やはりやりがいが違います。お引き渡しが終わった後も連絡を取り合えるお客さまも増えてきましたし、何かあれば相談してくださるので、嬉しいです。

また、地元は子育てもしやすいですね。お互いの家族も近くにいますし、子どもが小さかった頃は、ずいぶん助けてもらいました。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職活動を始めた当初は自分の市場価値がわからず、それが一番の不安でした。自分のスキルには自信があったんですが、どんな会社が自分を欲しがるのか、わからなかったんです。そうした不安を払しょくするために、試しに大手を受けてみました。結局入社には至りませんでしたが、面接の経験や、内定をもらえたことは自信になりました。

リージョナルキャリアにも感謝しています。今の会社のことも、リージョナルキャリアに紹介されるまで全然知らなかったのですが、自分のスキルや資格を活かせる場所は、意外と身近なところにあるんだと実感しました。そういった意味でも、いろいろなところに飛び込んでみて、いろいろな会社を受けてみたら、何かが見つかるのではないかなと思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
千葉 悠樹

鈴木さんとお話しさせていただき、ご自身のキャリアに明確な意思をお持ちで、実直に努力してこられた方だなと感じました。さまざまなお話しをするなかで、建築業界の中でも特に戸建住宅に関わり、そこに住む方に合わせたオーダーメイドの住宅設計の仕事をしていきたいとのご意向を伺いました。また、ご結婚されるタイミングでしたので、ご家族との時間を今よりお持ちになりたいと考えておられました。

じっくりとお話を聞かせいただけなければ、鈴木さんの真のニーズはわからなかったかもしれません。弊社は地場企業とのコネクションに強みがあります。その中で、鈴木さんのキャリアでの意向・環境面で希望を踏まえ企業を提案しました。イキイキとお仕事に取り組まれている様子をSTV興発の担当者の方から伺い、お手伝いできたことを嬉しく思っております。

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