株式会社サッポロドラッグストアー
岡田綾子さん(仮名・商品企画) 41歳
募集のなかった会社に転職成功。東京で培ったノウハウを、地元企業は求めている。
岡田さんは東京で18年にわたって商品開発領域のキャリアを積み重ねてきた。だが30代後半に差しかかった頃から、厳しい競争社会で闘い続ける毎日に疲れを感じるようになったという。そして38歳のときに、転職先を決めないまま退社。その後、札幌の実家へ戻って転職活動を始めたものの、商品開発の仕事はなかなか見つからない。徐々に焦りを募らせていた岡田さんに、リージョナルキャリア北海道から紹介されたのは、意外な会社だった。これまでのキャリアを存分に活かし、現在は地元の成長企業で活躍している岡田さんの体験談を紹介する。(※本記事の内容は、2018年9月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 過去の
転職回数 - 5回
- 活動期間
- エントリーから内定まで90日間
転職前
- 業種
- 総合商社
- 職種
- 商品企画
- 業務内容
- 商品企画・開発、ディレクション
転職後
- 業種
- 流通・小売・サービス
- 職種
- 商品企画
- 業務内容
- 商品の企画・開発、メーカーの選定、ディレクション、パッケージや物流方法の検討、人材の育成
コンサルタントのひらめきから地元成長企業の社長と会い、意気投合。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
北海道を中心に店舗を展開しているサッポロドラッグストアーで、PB(プライベートブランド)商品の開発をしています。なかでも私が担当しているのは、タオル、スリッパ、水切りネットといった日用雑貨です。商品の種類は150アイテムほどあり、現在はマネージャーとして、商品企画から、メーカーの選定、パッケージや物流方法の検討、人材の育成まで、トータルに任されています。
入社前のご経歴を教えてください。
札幌の短大を卒業後、最初に就職したのは、東京の小さな家電メーカーでした。職種は営業でしたが、ものづくりも担当することになり、香港や台湾の工場とやりとりしながら、扇風機やラジカセなどを開発していました。その会社で4年ほど働いた後は、食品メーカーでマーケティング調査の仕事を2年。別の食品メーカーで、メニュー開発を3年。和菓子メーカーで、商品開発と店長職を3年。この会社に入る前は、家庭用品の商社で、鍋やフライパン、マグボトルなどの開発を担当していました。
転職のきっかけは?
若い頃は地元に帰るなんて全く考えていなかったのですが、30代後半頃からUターンが頭をよぎるようになりました。短大を卒業して以来、18年くらい東京で働き続け、「いろいろ疲れたな…」というのが、当時の本音でした。東京って、ものすごい競争社会なんですよね。優秀な人もたくさんいるし、日々闘っていくことに疲れてしまって…。両親もだんだん歳をとってきて、「札幌に帰るのもありかな」と考えるようになったんです。また、同時に仕事でも行き詰まりを感じていました。成果を出しても会社から認められず、上司が変わってうまくいっていなかったことも、行動を起こすきっかけになったと思います。
転職活動はどのように進めましたか?
腰を据えてじっくりと最後の転職活動をしたかったので、まずは前職を辞めて北海道の実家に居住しながら活動を開始しました。自分でネットを見て探すより、エージェントに紹介してもらう方がいいと考え、3社ほど登録しました。希望勤務地は実家がある札幌で商品開発を希望していました。ところがいざ始めてみると、興味を持てるような求人が全然なかったんです。北海道に帰って4ヵ月ほどたった頃から、さすがに焦りはじめ、地元の友人にも相談しました。すると希望していた商品開発の仕事ではないのですが、広告代理店を紹介してもらえました。そんな折、リージョナルキャリア北海道の担当者から電話をもらったんです。「サッポロドラッグストアーの社長が弊社に来るのですが、会ってみませんか?」と。社長は別の要件でリージョナルキャリア北海道に訪れる予定だったのですが、その担当者が「岡田さんに合いそうな会社だ」と考えてくれて、社長に時間をあけてくれるよう頼んでくれたそうです。調べてみると急成長していて面白そうな会社だなと感じ、お会いすることにしました。
お会いしていかがでしたか?
たまたま社長が私と同い年で、出身も同じ札幌。私が前に働いていた会社の社長とも知り合いだったということもあって、話はとても盛り上がりました。仕事についても、商品開発はその時募集していなかったようですが、私のキャリアを聞いて興味を持ってくださったようでした。その後、お誘いを受けて会社も見学させてもらいました。ところが見学したら逆に不安になってしまったんです。というのも、当時は社内に商品を開発する仕組みがなかったんですね。「本当にゼロからやらなければいけない、自分にできるのか」と考えてしまって。その一方では、友人の広告代理店のほうの話も進んでいましたので、最終的にどちらの会社を選ぶのか、すごく悩みました。
今の会社に決めたポイントは?
今の会社の担当者から「採用したい」というお電話をいただいたときに、正直に「悩んでいます」とお伝えしたんです。すると社長から、「もう1度、会いたい」と連絡が入り、マンツーマンでお話をすることになりました。そのときに社長が、「これからはこんな会社を目指したいんだ」というお話をたくさんしてくださり、その熱意に心を動かされました。特に印象に残ったのは、「バラエティストアをめざしたい」というお話ですね。聞くと、日本ではまだ誰もやっていないアメリカの業態だとか。実はその直前に父からもその業態のことを聞いていたので、余計に興味がわきました。ひと晩考えた後に、友人にも正直に相談しました。すると友人も、今の会社の方をすすめてくれたんです。「好きなことじゃなきゃ、続かないよね」と。昔から私の性格もよく知っていますから(笑)。その一言で、今の会社に決めることができました。