北海道宝島旅行社
平田聖加さん(営業) 34歳
蓄えた能力を活かし、32歳で初めて正社員に。やりがいと責任と、それに見合う収入を入手。
岡山県出身の平田さんは地元の高校を卒業後、中国語を習得するために中国に留学。帰国後も目標を立てては実現し、また次の目標を見つけて努力する日々を過ごしてきた。成田空港でのインフォメーションスタッフを経て、結婚により北海道に移住してからも札幌駅で外国人旅行者向けの仕事をしながら、英語力に磨きをかけてきた。「旅行会社の正社員に」という目標を叶えるための転職活動をスタートしたのは30歳を過ぎてから。しかし不安や困難を感じることはなかったという。「どんな会社に出会えるのか、ワクワクしながら」臨めたという転職活動について伺った。(※本記事の内容は、2018年7月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで71日間
転職前
- 業種
- 旅行業
- 職種
- JR駅内外国人専用カウンターでのインフォメーションスタッフ
- 業務内容
- インバウンドFIT(個人自由旅行者)顧客への鉄道チケットの販売
転職後
- 業種
- 旅行業
- 職種
- 営業職
- 業務内容
- インバウンドFIT(個人自由旅行者)顧客へのコンシェルジュ業務
働きながら磨いた英語力。満を持して、夢を叶えるための転職にチャレンジ。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
札幌に本社を置く北海道宝島旅行社(以下宝島)で、インバウンドFIT(個人自由旅行者)顧客へのコンシェルジュ業務を行っています。海外から北海道観光を希望されるお客様に対し、オーダーメイドで宿泊施設や移動手段を含めた行程、アクティビティ(体験)をご提案します。シンガポールやマレーシアを中心に、オーストラリアやヨーロッパからのお客様も増えています。宝島社の強みは道内各地の漁師さんや農家さんなどとの幅広いコネクション。農家さんでの餅つきやとうもろこしを植える体験、地元漁業の事情に詳しいガイドさんがご案内する港の散策など、ユニークな企画が可能です。ウェブサイトを通じてお問い合わせいただいたお客様と、主にメールでやりとりしながらご要望を探り出し、喜んでいただけそうなアクティビティをご紹介する。自分の提案に興味を持っていただき、実際に楽しんでいただけた時には、本当にやりがいを感じます。
入社前のご経歴を教えてください。
岡山の高校を卒業後、中国に留学して1年間中国語を勉強しました。帰国後、日本語教師を目指そうと上京。アルバイトをして学費を作り、日本語教師の資格を取りました。ただ、その後に探したのは日本語教師の仕事ではなく、中国語を活かせる仕事でした。授業で外国人に日本語を教えるうちに、中国語を話せることは自分の強みであり、仕事に活かせると感じたのです。そして成田空港のインフォメーションスタッフとして就職。契約社員として3年勤務しました。その頃、今の夫と出会って結婚し、実家のある札幌に移住しました。生活も落ち着いてきたので仕事をしようということになり、JR北海道の関連会社で契約社員に。駅の外国人専用カウンターで鉄道チケットの販売業務をしていました。
転職のきっかけは?
成田空港に勤務していた頃から、「英語力を上達させ、将来は旅行会社に勤めたい」という目標を持っていました。もっとしっかり英語と中国語を話せるようになれば、自分が理想とする仕事に就けるのではないかと考え、働きながら英語の勉強を始めたのです。そうして、TOEICで875点、英検は準一級に合格。そろそろ自分の夢をかなえたい、自分の今の能力を試したいと思い、転職に踏み切りました。責任とやりがいのある仕事を一生やりたいなら、そろそろ心を決めなければいけないという気持ちもありました。これまでの仕事も楽しかったのですが、契約社員という立場上、踏み込めない業務があったことも事実。正社員として働ける場を探したいと思いました。
転職活動はどのように進めましたか?
これまでの就職活動では、インターネットで求人を探して自分で申し込んでいたのですが、今回私が見つけるべき仕事は、ネットには載っていない、非公開の仕事だろうと思っていました。そこで今回は転職エージェントにお願いしようと思い、いくつか登録しました。こちらからの条件は、旅行会社であること、英語を使う会社であること、当時の仕事より給与が増えること。この3つです。リージョナルキャリア北海道は一番親身にメールを返してくれたように感じました。求人を紹介いただいても、こちらから「興味がありません」とお断りした案件もあったのですが、またすぐに違う会社を紹介してくれましたね。
今の会社に決めたポイントは?
登録してから1ヶ月ほどで、宝島社を紹介していただいたと記憶しています。ホームページを見た時に真っ先に目に入ったのが、社員全員の集合写真。それを見て、「とても働きやすい会社かもしれない」、と感じたのを覚えています。決め手になったのは、海外の方にオリジナルの旅行プランを作って提案するという業務内容です。英語ができるスタッフが欲しいというニーズも私が考えていたとおりでしたし、他の条件についても理想以上でした。面接は1回だけで、今までの面接では聞かれたことのないようなユニークな質問もあり、ずっと笑顔で面接していただいたことを覚えています。面接から1週間後に採用の知らせを受けた時は、舞い上がるほど嬉しかったですね。
人生で初めて正社員になれた。そのことが公私の充実をもたらした。
転職していかがですか?
転職してすぐに、想像どおりに社風がいいなと感じました。社員同士の距離が近く、コミュニケーションが取れているからだと思います。入社してからの1年半を振り返ると、毎日気づきや発見があり、自分が成長できている実感があります。単に旅行の企画を作るだけではなく、お客様と各地の方々の縁をつなぐという役目を果たせるのがこの仕事の面白さであり、やりがいを感じるところです。
転職して良かったと思うことは?
一番良かったことは、人生で初めて正社員になれたこと。より責任のある仕事を任せていただけるようになったので、それに伴って勉強量が増え、自分の成長にもなっています。契約社員の時は、指示されたことをやればいい、困ったことは聞けばいいというスタンスでしたが、今は自分の目標を達成するために自分で考え、自分で動かなければいけない。働く楽しみが全く違うと感じています。今後、出産などを経ても働きやすい職場だと思いますし、ずっとこの会社で働き続けていきたいですね。
困っていることや課題はありますか?
12月など、お客様の多い時期になると残業が増えてしまうことでしょうか。この点に関しては、自分の作業効率を上げて解決していきたいと思っています。今後の成長課題は、お客様の要望をもっと上手に引き出せるようになること。例えば、こちらからカヌーを提案してOKが出たとしても、実際に体験してみたら「こんなにハードだとは思わなかった」という感想が返って来ることも。そうしたミスマッチが起こらないように、お客様との事前のコミュニケーションの質をもっと上げていかなければと考えています。
生活面の変化はありましたか?
一番大きな変化は、茶道を習い始めたことです。弊社は「北海道体験.com」という、北海道内のアクティビティを紹介するサイトの運営も行っており、そこでお世話になっている茶道の先生に教えていただくようになりました。宝島に入社しなければ、その茶道の先生との出会いもなかったし、そもそも茶道に興味を持つこともなかったはず。外国人のお客様が茶道を体験して感動する様子を見て、やってみようかなと思ったのです。日本文化の美しさをあらためて知り、お稽古のたびに感動しています。また、プライベートでも頻繁に道内を旅行するようになり、北海道がどんどん好きになっています。行く機会のなかった道東へ仕事で赴き、「今度は家族と一緒に来たいな」と思って訪れることが増えました。夫も札幌以外の地域は意外と知らないので、「宝島で働いてくれてよかった」と言っています(笑)。このように茶道や旅行を楽しめるのも、自由になるお金があるから。正社員になり収入が増えたことによって、プライベートも充実するようになりました。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
自分の夢を叶えるために必要な勉強をして、熱意を持って転職活動に臨めば、良い仕事は必ず見つかるものだということです。私は今の会社と出会えたことで、高校を卒業してから積み重ねて来た努力が全部報われたように感じています。前職に就いていた時には、英語の勉強と並行して旅行業の資格の勉強もしていました。難関の国家資格である「総合旅行業務取扱管理者資格」を独学で取得。当社に採用されたのは、旅行業の資格と英語力の影響が大きいと思います。そうした準備と熱意があったので、女性で30歳を超えての転職でしたが、不安や難しさは感じませんでした。むしろ「どんな会社に出会えるんだろう」とわくわくしながら転職活動に臨めました。