日本食品製造合資会社
三條誠さん(製造管理部部長) 50歳
50歳を過ぎての転職。信頼できるコンサルタントとの出会いで道が拓けた。
二つの食品工場の新規立ち上げを経験し、15年にわたって工場責任者としての役割を果たしてきた三條さん。会社の情勢変化により転職を考え始めたものの、活動当初は苦戦したという。
希望職種のオファーがなく、「やはり50歳を過ぎてからの転職は難しいのか」と不安を覚え始めた頃、リージョナルキャリア北海道のコンサルタントと巡り会った。
転職を考えた理由や希望を包み隠さず話し、理解してもらってからは、希望に沿った案件を複数紹介してもらえるようになった。その中で、もっとも自分の希望に近かった日本食品製造合資会社(日食)への転職を果たす。
現在、管理職の一員として設備の改善や物流改革を主導している三條さんに、転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2023年9月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 3回
- 活動期間
- エントリーから内定まで150日間
転職前
- 業種
- 食品
- 職種
- 通販食品
- 業務内容
- 工場立ち上げから稼働まで携わり、その後工場責任者として勤務
転職後
- 業種
- 食品
- 職種
- 製造管理部部長
- 業務内容
- 製造管理として、工場の主に製造、物流、設備その他を担当
転職期間が長引いて不安もあったが、自分のキャリアを信じた。
現在の仕事はどんな内容ですか?
日本食品製造合資会社(日食)は、北海道の代表的作物であるとうもろこしやオーツ麦を原材料に、コーンフレークやグラノーラ、オートミールなどを製造する食品メーカーです。私は、その食品工場の管理職として、製造管理を行っています。
現在注力しているのは、設備管理と物流の改革です。物流については、北海道から全国に向けて発送するのですが、一部エリアの物流網がまだ脆弱で、発送途中で商品がつぶれてしまうことも起こっているようです。そこで、ネットワークを再構築し、梱包や保管のあり方から見直しを図っています。
また、設備面ではメンテナンスを担当しています。前職までの経験で機械や電気の知識もありますし、溶接や工作もできるので、だいたいの修理は自前で済ませることができます。
他にも、排水や残さの処理について、外注の設備会社と打ち合わせながら改善もします。工場は3ヶ所ありますが、呼ばれればどこへでも足を運び、設備を点検・修理する、というスタイルで動いています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学の工学部を卒業後、金属加工や食品などの工場に勤務。食品会社では、工場の新規立ち上げも経験しました。
30歳の頃、大手通販会社の誘いを受けて転職。北海道に新設された同社の食品工場にプロジェクトリーダーとして立ち上げから参加し、そのまま工場責任者として15年近く働きました。
2つの工場の立ち上げを経験し、設備、人員管理、生産性など、さまざまなことを学べました。
転職のきっかけは?
ある時、私が望まない辞令を受けました。自分自身に落ち度があったのなら文句は言えませんが、特に思いあたる節がありません。後になってわかったのですが、会社が別の大手企業から買収されることになり、その余波だったようです。
ともかく、思いもしなかった辞令でモチベーションがかなり下がってしまい、「このまま続けるより、心機一転して自分のキャリアを活かせる場所で働きたい」と考えました。
転職活動はどのように進めましたか?
いくつかの転職サイトにエントリーし、オファーを待ちました。しかし、Webで面談した後、まったく音沙汰がなかったり、私のキャリアとまったく関係のない職種を紹介されたりと、なかなか希望の仕事に巡り会えませんでした。
私は転職に至るまでの事情を包み隠さず、正直に説明したのですが、「望まぬ辞令は本人に何か問題があってのことではないか」と邪推されたようです。「こんなに信用してもらえないのか」と愕然としました。
転職活動を始めて2ヶ月くらい経った頃、リージョナルキャリア北海道からメッセージを受けました。リージョナルキャリア北海道のコンサルタントは他の転職支援会社と違って、私の事情に耳を傾けてくれ、理解を示してくれました。
自分を信じてもらえたことが嬉しくて、そこからはリージョナルキャリア北海道のみで活動を進めました。
今の会社に決めたポイントは?
日食はリージョナルキャリア北海道から3社目の紹介だったと思います。どこも良い反応だったのですが、もっとも希望条件に合っていたのが日食でした。
面接での雰囲気もとても良く、私の職歴をぜひ当社で活かしてほしいと言ってもらえました。リージョナルキャリア北海道から、事前に私のキャリアやキャラクターについてしっかり共有してもらっていたので、選考はスムーズでした。
「物流や設備など、いろいろ改善していきたいので力を貸してほしい」と社長に言われ、私もこういう人たちのために頑張りたいと感じ、入社を決めました。
妻も「良い会社に入ったね」と喜んでくれた。
転職していかがですか?
設備の修理や改善などは、工場の新規立ち上げと近いものを感じます。機械のトラブルは稼働具合によってさまざまで、修理へ行くたびに新たな状況に直面するのですが、私はそれが楽しいというか、「よしやってやるぞ!」とイキイキしています。
そんなふうにやっているおかげか、周囲から声をかけられることも増えてきました。「電気のこともわかる?じゃあこれも見て」という感じで、設備に関する相談をどんどん受けるようになりました。
職場の雰囲気もとても良いです。最初は「50歳の新参者を受け入れてもらえるのだろうか」という心配もあったのですが、まったく杞憂でした。設備や物流について頼ってくれているなと実感することが多く、やりがいを持って毎日を過ごせています。
転職して良かったと思うことは?
周囲から「ありがとう」と言ってもらえる機会が多いことです。機械の様子を見に行ったり、設備を直したりするたびに「ありがとう」と言ってもらえると嬉しいですよね。
この家族的な雰囲気は、社風ではないかと思います。このような会社と巡り会えて、「私の方こそありがとう」と言いたいくらいです。
妻からは「目の色が変わった」と言われました。工場立ち上げに奮闘していた20代、30代の頃のような、会社を良くしたいという気持ちに溢れた目をしている、と。
私は、会社でのことは家でほとんど話さないのですが、やはりわかるのでしょう。妻も「良い所に入ったね」と言ってくれています。
困っていることや課題はありますか?
日食は100年以上の歴史を持つ会社ですが、今がまさに成長期です。製造している食品の販売量がどんどん増えており、それに合わせて体制も整備していく必要があります。
物流や設備関連の仕事が落ち着いたら、次は社員教育に関わりたいと考えています。日食ではOJT中心で、体系化された教育システムがまだありません。ここを整備すれば、社員の成長スピードは格段に上がるという確信があるからです。
社員が成長すれば、事業の質も高まります。そういう面で貢献できればいいなと思います。
生活面の変化はありましたか?
残業もあまりないし、土日もしっかり休めて、いろいろ意味でストレスがなくなりました。土日は子どもをサッカーに送迎して過ごすことが多いですね。
収入は多少下がったのですが、その分、家族との時間が増えました。私がやる気に満ち溢れているのが子どもに伝わるようで、子どもも元気に過ごせています。
ストレス無く働けて、家族との時間を楽しく過ごせるのが私にとっては一番です。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職活動を始めてから決まるまで5ヶ月かかり、しんどい時期もありました。「50歳を過ぎると、やはり転職は難しいのか」と不安になる時期もありましたが、リージョナルキャリア北海道のような良い転職支援会社と巡り会えたことで、満足の行く選択ができました。
振り返ってみると、当時感じていた不安は取り越し苦労に過ぎませんでした。一番大事なのは、信じることではないかと思います。これまで積み上げてきた自分のキャリアを信じる、地道な活動を焦らず、あきらめずに続けていけば道は拓けることを信じる。
面接でうまく行かず、良い返事をもらえないこともあると思います。私もそうでした。でも悲観する必要はありません。迷った時は転職コンサルタントに相談してください。そしてそのアドバイスを信じてください。そうすれば、一生骨を埋めたいと思える会社に必ず出会えます。