株式会社鈴木商会
大島宏之さん(社内SE) 41歳
部署の解体を機に、異業種に転職。自分が輝ける新たな場所と出会えた。
大島さんは東京でSEのスキルを磨いた後、北海道へUターン。大手企業の子会社で社内SEとして働いていた。転機が訪れたのは、40歳の時。所属していた部署が解体されることになったのだ。
本社の情報システム部門を手伝うよう促されたが、1か月間悩んだ末、新たな活躍の場を求めて転職活動をスタート。ージョナルキャリア北海道のサポートもあり、現在は異業種で社内SEとして活躍している。
「前職の経験がフルに活かされていますし、やりがいも感じています。コンサルタントのサポートのおかげで、年収も同水準を維持。通勤は楽になったし、休みも増えたし、本当に転職してよかった」と話す大島さん。これから転職活動を考えている方へのアドバイスも送ってくれた。
(※本記事の内容は、2021年12月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで50日間
転職前
- 業種
- 大手食品メーカーの関連会社
- 職種
- 社内SE
- 業務内容
- 社内のシステム全体のプログラム開発、ネットワーク、基盤構築等のインフラ整備
転職後
- 業種
- 資源リサイクル総合企業
- 職種
- 社内SE
- 業務内容
- 社内のシステム全体のDX推進、プログラム開発、ネットワーク、基盤構築等のインフラ整備
有名エージェントに相談すると、「北海道に求人はない」と言われがく然。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
鈴木商会は、北海道を拠点にした資源リサイクルの総合企業です。鉄スクラップや廃車、使い終わった家電製品、建築廃材などを回収してきて、自社プラントで再資源化し、鉄鋼メーカーなどに販売しています。北海道内に同業の大きな会社は少なく、年商は約230億円あります。
海外にも取引先があり、コロナ禍の影響もあまり受けていません。私は情報システム部に所属し、社内のITシステムやインフラの維持・管理をトータルに担当しています。具体的には、新規の社内システムの開発から、社員のスマートフォンの設定まで、上流から下流まで幅広い仕事に取り組んでいます。
入社前のご経歴を教えてください。
北海道の大学を出た後、最初に就職したのは、東京のシステムインテグレーター企業でした。その会社では、主に多次元データベースを利用した経営分析ツールの構築や導入支援に携わり、5年間勤務しました。
その後、北海道にUターンして、大手食品メーカーの子会社に転職。社内SEとして14年間働いていました。社員が利用するシステム全体のプログラム開発や、ネットワーク、基盤構築のインフラ整備などに取り組み、最後の2年半は課長を任されていました。
転職のきっかけは?
直接のきっかけは、親会社の都合で、情報システム部門が本社と一本化されることになったことでした。北海道の情報システム部が解体されることになったんです。そのまま会社に残って本社の手伝いをしてくれと頼まれましたが、東京の本社と北海道とでは、目線が違います。
これまでも、私は北海道の現場目線からさまざまな提案をしてきたのですが、本社にはなかなか受け入れてもらえませんでした。そのようなこともあり、本社で働くことは難しいと思いました。かといって別の部署で働くとなると、まったくの素人で、パソコンに詳しいただのおじさんになってしまうだけ(苦笑)。
1ヶ月ほど悩みましたが、最終的には転職することに決めました。妻に相談すると、妻も背中を押してくれました。
転職活動はどのように進めましたか?
まずは、有名どころの転職紹介会社にいくつか登録しました。社内SEを希望していたので、ITに強いと言われている紹介会社にも登録したのですが、「北海道には、今は求人がないですよ」と、すぐにはねつけられてしまって・・・。
どうしようかと思っていたとき、インターネットでリージョナルキャリア北海道を見つけたんです。北海道に強いという点と、対面を重視していて、ちゃんと会って相談に乗ってくれる、という点にも惹かれました。
連絡すると、すぐに10社くらい紹介してもらえました。もちろん、北海道の会社ばかり。他の紹介会社には「ない」と言われていたのに、「あるじゃん!」と思いました(笑)。その中から仕事内容や年収などで絞り込んで、3社受けました。
今の会社に決めたポイントは?
自分の持っているスキルが全部はまりそうだと思ったことです。「入ってすぐに活躍できそうだ」と思える求人でした。年収も、最初は私の希望額よりやや低かったのですが、コンサルタントの助言もあって、希望額に引き上げてもらえました。
実は、もっと提示年収が高い会社もあったのですが、任される仕事の幅が狭かったのと、自宅からも遠かったのでお断りしました。実際に面接してみないと分からないことも多いですよね。
自分で考え、自分で提案し、自分で進めるから、やりがいの大きさが違う。
転職していかがですか?
前職の経験がそのまま活かせるので、自分から積極的に働けています。「IT化をどんどん進めてくれ」という会社の意向もあったので、提案もどんどんしています。経営陣には、「今のままでは時流に置いていかれる」という危機感があったと思うんですよ。必要な投資はすぐに承認してもらえるので、すごく仕事がやりやすいです。
ただ、ちょっとやりすぎて、自分の手が回らないくらい忙しいんです(笑)。会社からも評価してもらって、給料も上がりました。人間関係もまったく問題ありませんね。
転職して良かったと思うことは?
40歳を過ぎてこんなにスムーズに転職できるとは思っていませんでした。しかも、生活レベルを変えずに転職できたので本当によかったです。前職時代を振り返ると、やりたいことができなかったんです。親会社があって、予算も方針も上からおりてくるので、常にそちらが優先されます。
でも、今は自分で何をどうしたらいいかを考えて、自分で提案して、自分で進めることができ、その結果、感謝される。やっている仕事は変わらないけれど、やりがいが違いますよね。
そのうえ、親会社がないので、自分の仕事で北海道に貢献している手ごたえを感じます。特に、当社は社会貢献度が大きい事業に取り組んでいますから、会社の成長がそのまま、北海道や地球の環境改善につながっていきます。
資源リサイクルの会社は「3K」みたいなイメージがありますが、当社は働きやすい職場づくりも含め、まじめに社会貢献に取り組んでいる会社です。イメージ改革にも貢献していきたいと思っています。
困っていることや課題はありますか?
前職とは業界が違うので、ビジネスの考え方も違います。前職は卸売でしたが、今は原料を購入し、製品を製造して販売するビジネス。製造が入ることで、卸売とは目線が180度違うんですね。
その違いに戸惑っている部分もありますが、それは覚悟のうえなので、つらくはありません。周囲も、異業種から来た私の目線の話もちゃんと聞いてくれますから。
生活面の変化はありましたか?
住まいは同じですが、会社は近くなりました。以前は公共交通機関で80分かかっていましたが、今は地下鉄を利用して、ドアツードアで30分くらい。しかも、今の職場は、札幌駅の目の前というすごく便利な場所にあるんですよ。改札から1分以内で着けるので、すばらしいなと。通勤が本当に楽になりました。
収入も前職と同じなので、生活レベルは変わりません。大きく変わったのは、休日にちゃんと休めるようになったことです。前職は卸売業だったので、土日も当番で会社に出ていたんですよ。また、システムがトラブルを起こしたら、夜中でも電話がかかってきて対応していました。今はそういうことがありませんので、ゆっくり休めるようになりました。正月とお盆も人並みに休めるようになったので、嬉しいですね。おかげで家族と過ごす時間も増えました。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
自分一人で転職活動をするより、コンサルタントに相談した方がスムーズなのは間違いないと思います。そこで重要になるのが、紹介会社の選び方です。私が最初に相談していた紹介会社は、おそらく東京にいる人達でした。だから北海道の求人の情報が薄かったんだと思います。「地元で転職したい」と言っているのに、東京の求人を紹介されたこともありました。
一方、リージョナルキャリアのコンサルタントは、「ちゃんと北海道にいる」という点が大きな違いだと思いました。今の会社も、もし自分1人で転職活動をしていたら受けられなかったと思います。後から聞いたところによると、当社はリージョナルキャリアにしか求人票を出していなかったそうです。
しかも、求人票に載っていた年収がミスマッチだったので、最初はスルーしようとしていたんです。ところが、リージョナルキャリアのコンサルタントが、「たぶん交渉したら希望額は出ると思うので、受けてみませんか?」とアドバイスしてくれたんです。それが、地元に密着しているコンサルタントの肌感覚なんですね。実際、会社側も私の希望を聞いてくれました。コンサルタントも、会社側も本気。だからマッチング率も高いんだと思いました。