採用が経営を変えた瞬間 取締役副社長執行役員 管理本部長 岩田 幸治氏

これからも感謝とともに、
北の大地から100年企業へ。

岩田地崎建設株式会社 / 取締役副社長執行役員 管理本部長 岩田 幸治

Vol.16

岩田地崎建設株式会社
取締役副社長執行役員 管理本部長 岩田 幸治

2006年法政大学卒業後、海外留学、不動産会社勤務を経て、2012年岩田地崎建設(株)に入社。入社後、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程を修了。2016年取締役常務執行役員管理本部副本部長、2018年同管理本部長、2020年取締役副社長執行役員管理本部長に就任。
※所属・役職等は取材時点のものとなります。

更新日:2020年12月9日

「橋の岩田」と呼ばれた創業期

当社の歴史は、創業者である岩田徳治が札幌で土木建築請負業を始めた1922年から始まります。当時、豊平川は頻繁に氾濫し、農家は水害に悩まされていました。どうにかして農家を水害から救いたいという一途な思いが当社の礎になっています。その後大きな転機が訪れたのが創業から18年目、豊平川にかかる「一条大橋」を手掛けたことでした。当時の最先端の技術を取り入れ、北海道で初めての鉄筋コンクリートの橋となりました。決して簡単ではなかった大仕事。社会的使命という意識のもと、利益を度外視して引き受け、革新的な工事技法で完成までたどり着いたと聞いています。その後、豊平川にかかる11基の橋をはじめ、道内の主要河川の橋を手掛け、「橋の岩田」の異名がありました。

100年企業の使命とは

まもなく創業100周年を迎えるに際して、社内に実行委員会を組織しました。目的の一つは、100年の歴史を深く探り、会社のアイデンティティを確立させ、強みや特色を再認識することです。さらに、社会貢献、地域貢献を変わらぬコンセプトに据え、100周年以降の姿を模索。当社は何のために存在し、誰のために経営活動を行っていくかを改めて考え直しています。そして、「変えてはいけないこと」「変えていくべきこと」も明確化しなければならないと考えています。忘れてはならないことは、100年間支えていただいたすべての方に感謝することです。それが当社の軸の部分であり、未来につなげていくべきことです。どうやって感謝の思いを表現し、形にしていくかを、若手からベテランまでの総意で取り組んでいます。

地域経済の活性化による社会貢献へ

当社は、堅実な経営を信条に誠実さを大事にしてきました。その根底にあるのは、「地域社会へ貢献するため」、「地域経済の活性化のため」という存在意義と責任感です。これからも建設業として、またそれを超越した立場で地域貢献していきたいと思っています。自社の利益のためだけではなく、社会的利益を常に考え、地域産業、地域経済の活性化のための会社運営をしていきます。長く根付いている会社の風土は、「総親和」の精神。当社の仕事に関わるすべての方にとって、新たな価値と喜びを生む事業であることを願い、実践してきたつもりです。まるで家族のような思いやりを持って仕事に向き合う心根が、創業時から継承されています。

デジタル化の推進と現場の経験による両輪で成長

人材育成は、どの企業にとっても非常に大切なことで、当社にとっても重要課題です。新入社員研修から始まり、研修を充実させています。建設業は現場をしっかり見ることが求められます。現場でのOJTが大きな成長機会となりますので、さらに拡充させる必要があります。幸いなことに当社は、現場でのコミュニケーションを図り、スムーズに仕事をまわしていくよき風土が代々引き継がれており、現場経験が若手の育成に直結しています。今後の課題は業務の効率化です。ITを積極的に取り入れ、デジタル化を推進していく必要があります。そのためにも常にアンテナを高くして、新たな技術や情報を得ていく体制を構築していくことはもちろん、施工現場においては技術職としての施工知識に加えデジタル知識を併せ持つ人材の獲得も将来的に必要と考えています。根底にあるのは、個人の経験と成長しようとする意欲であり、それが会社の強みになるはずです。

海外での活動を通して、品質と技術を提供

中央アジアやアフリカなど、ODA(政府開発援助)事業を通して、海外での建設事業に取り組んでいます。最先端で品質に優れた日本の建築技術を世界に提供することは、社会的意義も高いと思っています。同時に、海外での技術教育も大切な仕事になります。現在、教育施設を建設中のモンゴルは北海道同様に寒冷地。これまで培ってきた技術を存分に発揮できる土地柄です。最近では、台湾の民間企業と連携してマンションを建築しています。今後は台湾の事例のように、ODA以外の受注も積極的に取り組んでいきたいです。台湾やモンゴルには営業所があるので、継続的に受注を増やし、そこで暮らす人や地域に貢献していきたいという思いがあります。現地で働く人から信頼され、仕事を潤滑に進めていける意欲のある人材の活躍に期待しています。

自然の最適環境づくりと豊かな地域社会の構築へ

当社の経営理念「建設事業を通して人と自然の最適環境づくりに貢献する」のもと、人と自然環境に優しいサスティナブル社会の実現を目指して事業を推進しています。SDGs(Sustainable Development Goals)の理念に沿った考え方で、地域に根差した建設業として社会貢献を果たすための一つの行動指針になっています。SDGsの取り組みは、環境技術に直結しており、産学連携を通して研究していく課題であると認識し、環境ソリューション部を中心に具体的な取り組みを進めています。公共事業を多く手掛ける当社にとって、豊かな環境を構築し、地域社会へ還元することは必要不可欠な価値観です。インフラが整備され、安心して暮らせる地域になれば、生活の質が向上し、人口拡大にもつながります。これからも長く地域の暮らしと経済に貢献し、必要とされる企業であり続けることが「100年企業」としての使命であると強く感じています。

編集後記

岩田副社長のお話からは、一企業の経営者としてだけでなく、歴史と実績を持った北海道建設業界のリーディングカンパニー、ひいては北海道を代表する企業としての誇りと責任を感じます。自社の発展によって地域を発展させ、事業を通しての地域貢献を実践している同社、100年企業としてその価値観と姿勢は「感謝」という言葉を軸により一層強いものになっていきます。デジタル化を背景に、求める人材も多様化していますが、今後も北海道を代表する建築や工事を担う同社は、地域に貢献し社員が誇りを持って働ける企業であり続けると確信しています。

文:リージョナルスタイル認定コンサルタント 千葉 悠樹

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